媒体資料
経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

米政府の態度硬化で袋小路に入り込んだTPP交渉日米協議--経済産業省

霞が関番記者レポート

甘利明

甘利明TPP担当相

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の日米協議が袋小路に陥っている。米政府が豚肉などの関税を一部容認するという報道に対し、関税撤廃を強硬に求める米業界団体が猛反発して協議が事実上中断。5月末から再開したが、11月に中間選挙を控える米政府は態度を硬化させている。

 交渉参加12カ国は7月に首席交渉官会合を開いて大筋合意の道筋を付けたい考えだが、日米協議の停滞で前進さえもおぼつかない。

 「あとはもう米政府がどう国内を説得するかだ。日本の国内事情を説明してもらうしかない」。経済産業省幹部は、米政府の努力に期待を込めた。

 日米は4月の首脳会談や閣僚折衝で、豚肉など日本の重要5分野について、関税の引き下げ幅や猶予期間などを一括した「方程式」で決めることで合意。だが、米国が豚肉などの関税を認めるという日本の報道を受け、業界団体から米政府に対して批判の声が相次いだ。

 このため甘利明TPP担当相が5月19日にシンガポールでフロマン米通商代表と会談したが、主要論点で一致する「大筋合意」は見送り。5月末に事務協議は何とか再開したが、米通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行と会談した大江博首席交渉官代理が、「絶望的な瞬間もあった」と振り返るほど米政府との合意は遠のいた。

 甘利氏は6月10日の記者会見で、交渉を登山に例え、「頂上(合意)を目指して登る意思はある」と強調したが、「登山計画はまだ立っていない」と認めた。

 最大の焦点である豚肉や牛肉の関税をめぐり、大江氏は6月下旬にもカトラー次席代表代行と再び協議を開く。7月の首席交渉官会合を終えれば、米国は本格的に選挙モードへの突入が必至。タイムリミットが迫る中、交渉を主導する日米が落としどころを見つけることができるかどうかがTPPの成否を左右することになる。

 
経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan
 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界ウェブトップへ戻る