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「LINEをプラットフォームとして さらに進化させ、世界の 共通言語にしたい」--森川亮 (LINE社長)

森川亮氏

森川亮(LINE社長)

森川亮(LINE社長)

コミュニケーションに特化しスマホ普及でユーザー数激増

 世界230カ国で利用されている無料通話・無料メールアプリ「LINE」をはじめ、検索サービス「NAVER」、キュレーションプラットフォーム「NAVEまとめ」、総合ニュースサイト「livedoor ニュース」、国内最大級のブログサービス「livedoor Blog」などを展開する。設立は2000年9月だが、主力のLINEのサービスを開始したのは11年6月。それが今や、ユーザー数は世界2億6千万人を突破(13年10月1日現在)。うち8割はアジア中心の海外利用者だ。日本の利用者は4800万人で、日本のスマートフォンユーザーのほとんどがLINEを利用している。ここまで短期間で、なぜユーザーに支持されたのだろうか。

「コミュニケーションは、水と同じように誰でも必要なものです。ここに特化したことによって、普遍性のあるものになったのだと思います。スマートフォンにフォーカスしたことで、スマホの普及する中で私たちのサービスも普及していった。スマホのサービスはいろいろありますが、質の高いものを提供し、デザインなどユーザーが求める価値を大事にしてきたので愛されているのでしょう。メール機能でオリジナルの絵文字、顔文字、スタンプ(キャラクターイラスト)も広く利用されています。この私たちのキャラクターも人気になり、牽引しているところもあると思います」

 そう分析する森川亮社長。8月21日に開催した事業戦略発表会の冒頭で、「LINEを世界共通の言語にしたい」と宣言した。この発表会で、今秋にもインターネット通販事業に「LINEモール」で新規参入することと、音楽配信を始めることを明らかにした。ポイント制度「LINEマイレージ」の導入準備も進めているという。

 同社のLINE事業は、ゲームやスタンプ販売が売り上げの8割を占める。事業にネット通販を追加することで、国内の4800万人ユーザーを生かしながら、収益性を上げる狙いだ。

 同社はこの他、リアル店舗向けに提供しているサービスが2つある。ひとつは昨年6月開始の「公式アカウント」で、大企業向けのメニュー。もう1つが、昨年12月に開始した小商圏の店舗を持つ企業をターゲットにした「LINE@」だ。公式アカウントは初期プランが4週間800万円(最大5メッセージ)から12週間1500万円(同15メッセージ)までの4種類。公式アカウントは現在、世界で118(日本62)。LINE@は、初期費用5250円、月額5250円と公式アカウントに比べ格段に安い。

 これら事業によるLINE事業の13年4~6月期売上高は、97・7億円で、前四半期比約66・9%増。ゲーム課金が売上構成比約53%、スタンプ課金が同約27%、その他公式アカウント・スポンサードスタンプなどとなっている。

無料通話・無料メールアプリの「LINE」 写真:LINE Corporatuon

無料通話・無料メールアプリの「LINE」
写真:LINE Corporatuon

あったらいいなと思うサービスを具体化する

 売り上げのバランスを取っていく考えはないかと聞くと、

「特に考えていません。新しいビジネスをやり、それがうまくいけば、必然的に変わっていくと思います。LINEにこういうサービスがあったらいいなと思うものを具体化していく。これをやろうという方向性は決まっているのですが、その中身をどうするかが難しい。とにかく私たちの世界は変化が早い。状況の変化にどれだけ早いスピードで対応できるかが重要です。私たちはグローバル企業なので、世界を見据えて、どういう国の人がどういうニーズがあるのかを素早く察知する必要があります。そのためにトップダウンではなく、現地スタッフの声を吸い上げられる組織にしてあります」

 既に日本のスタッフの約2割は外国人。韓国の親会社(LINEはその子会社という位置付け)はもとより、海外を合わせると、外国人のほうが多いという。

「国内、海外を問わず戦っていくため、狩猟民族のように、かなり流動的にやっています。今のような満たされた社会では、ちょっと新しいものとか、生活に潤いを与えるものなどが市場を作る時代です。そういうものは飽きられる可能性も高いので、常に動きながら、一番いい方法を素早く取っていくのが勝ち残りの要諦だと思います。今は大企業的なやり方そのものが時代に合っていないと思う。サッカーの試合で、自分の前にいい球が来たとき、監督に指示を求めるわけにいきません。チャンスではその場で瞬時に判断することが必要で、そこでシュートを打てる人をどう育て、あるいは連れて来るのか。この辺にかかっていると思います」

 こうあるべきだという考えにとらわれることがない森川氏。同社から次々に繰り出されるスタンプのように、変わり身を旨としているようだ。

 
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