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「スマートフォンゲームは、 日本が世界に勝てる領域です」--小林賢治 (ディー・エヌ・エー取締役マルチリージョンゲーム事業本部長)

小林賢治氏

小林賢治(ディー・エヌ・エー取締役マルチリージョンゲーム事業本部長)

小林賢治(ディー・エヌ・エー取締役マルチリージョンゲーム事業本部長)

「怪盗ロワイヤル」大ヒットからソーシャルゲームに注力開始

 1999年11月にインターネットオークションから始まったディー・エヌ・エーのサービス。2002年12月にショッピングモールを、04年3月にはモバイルオークション、04年7月モバイル広告、06年2月モバイルSNS、そして09年10月からのソーシャルゲームへと事業領域を拡大してきた。現在ではモバイルSNS「モバゲー」が主力で、SNS上のゲーム課金が収益の柱となっている。

「モバイルサービスを始めた当初から、ゲームは展開していました。その頃はフィーチャーフォン向けで、ユーザーを集めるためにアバターや無料ゲームが中心でした。ゲームに注力するきっかけとなったのは、09年10月に提供を開始したソーシャルゲーム『怪盗ロワイヤル』の大ヒットです。モバゲーのプラットフォームをオープン化したのが10年1月。そこからサードパーティー(外部のソフトウエア開発者)にもゲームを出していただくようにした結果、順調に成長することができました」

 ゲーム事業を管掌してきた小林賢治取締役マルチリージョンゲーム事業本部長は同社のゲームとのかかわりをこう振り返る。今では他社との協業モデルは一般的になったが、この取り組みは同社が先鞭を付けた。

 日本国内の市場規模はここ数年右肩上がりの状態のソーシャルゲーム。矢野経済研究所の調査によると、13年度は4256億円を見込んでいる。

「ガンホー・オンライン・エンターテイメントさんのスマートフォンゲーム『パズル&ドラゴンズ』は毎月100億円もの売り上げを上げています。08年ごろはほぼゼロだったこの分野が、今や5千億円規模となった。しかも他のゲーム市場と食い合うのではなく、どんどん新たなユーザーを増やしている。デジタルコンテンツで一気に数千億円規模の市場を形成したものは過去にありません。もはや一過性ではないと思います」

 この勢いを駆って、下期60タイトルをスマホゲームに投入するという。前年のリリース本数の3倍という力の入れようだ。他社も同様の動きをしているので、競争は激化している。その中で同社が選ばれる秘策はあるのだろうか。

今秋リリース予定の最新作「マジック&カノン2」

今秋リリース予定の最新作「マジック&カノン2」(写真:DeNA Co., Ltd. All rights reserved.)

ゲームに要求される〝対話力〟は日本人の〝おもてなし〟で

「ソーシャルゲームのサービスがこれまでのパッケージゲームの売り切り型と違うのは、最初に投入してから毎月ゲームの中身を更新し続け、長期間ユーザーに飽きられないようにしていくところ。徹底的にユーザーが何を求めているかを考え、いかに多くのプレーヤーが満足できる場を作れるかを、さまざまなプレーヤーの視点で考えるのです。そのために大切なのがユーザーとの〝対話〟です」

〝対話〟とは、ユーザーの遊び方に応じてサービスの内容を変えていくことで、まさに日本人が得意な分野だとする。

 同社では、多種多様なユーザーと常に〝対話〟し続ける仕組みを構築しているという。

「エアラインやタクシー、レストランなど、日本におけるサービス業のレベルは本当に高い。ゲームビジネスに要求されるのも、この日本人のおもてなし精神なのです」

 世界的に見て高い水準にある日本のサービス業だが、唯一のウイークポイントは言語の壁。しかし、この障壁に関係なくサービスできるのがゲームやウェブの領域だと小林氏は指摘する。

「日本のエンタメコンテンツは、実は輸出金額でいうと大きな売り上げをあげていません。しかしそれは、日本のコンテンツ自体に人気がないのではなく、販路をなかなか確保できなかったという要因が大きいのです。パッケージゲームも、アジア圏では海賊版が多く、収入にならなかった。でもソーシャルゲームはサーバーでコントロールしているし、海賊版に強いビジネス。グローバル展開が大いに期待できます」

 その言葉どおり、同社のソーシャルゲーム「ブラッド・ブラザーズ」は、米国を含め、33カ国で売り上げ1位を獲得しており、さらに同社の他のゲームが2位も3位を独占したこともあるという。この人気を受けて「ブラッド・ブラザーズ」は日本でもリリースを開始した。通常、日本メーカーのゲームは国内で発売した後に海外展開というパターンだったが、8月にも「D.O.T.ディフェンダー・オブ・テクセル」というタイトルでリリースしたソーシャルゲームも、このパターン。日本発のコンテンツが海外でも収益を得られる状況になってきたということで、「スマホで勝てる領域があるとしたら、ここですね」と言う小林氏。

「日本にハリウッドを作ることが将来の目標です。ハリウッドには、〝ひと山当ててやろう〟と世界中から才能のある人材が集まります。同じような人の流れをソーシャルゲームの分野において、日本に築きたい」

 夢は世界を駆け巡る。

 
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