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経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

海外の成長力を取り込み、 業績数兆円企業を目指す--澤田秀雄(エイチ・アイ・エス会長)

澤田秀雄氏

 澤田秀雄・エイチ・アイ・エス会長は、「当社の歴史は新しい試みの繰り返し」と語る。旅行をはじめとする既存事業の強化に加え、チャーター便事業など新規ビジネスに参入。海外の成長を取り込み、事業基盤の強化を目指す。

澤田秀雄(エイチ・アイ・エス会長)

澤田秀雄(エイチ・アイ・エス会長)

アジアの〝大航海時代〟に向けて航空事業に参入

―― 航空事業への参入に、注目が高まっています。

澤田 昨年末にタイ・バンコクに国際チャーター便を運航する航空会社「アジア アトランティック エアラインズ」(AAA)を設立し、今夏から事業を開始しました。これからは、アジアの〝大航海時代〟が到来します。アジア各国で旅行需要が非常に高まってきました。会社をアジアの中心に当たるタイに置いたことで、アジア全域をカバーできるチャーター事業ができるでしょう。ゆくゆくは、世界中にAAAの飛行機を飛ばします。非常にチャレンジャブルな取り組みであると自負しています。事業としての可能性は大です。

―― チャーター便事業の具体的な取り組みについて。

澤田 現在、お盆やお正月などのピーク期というのは、予約をなかなか取りにくい上に航空運賃が高いわけです。われわれがピーク期に1、2カ月程度、大手航空会社よりも割安な価格で座席を供給すれば、お客さまに喜んでいただけるのではないでしょうか。世界各国でピークは違いますから、その都度いろいろな地域で就航できればいいですね。

 ハード事業ですから事業を軌道に乗せるのは簡単ではないと感じています。格安航空会社のスカイマークを立ち上げた際も、当初は大変苦労しました。今回のチャーター便事業に関しても、諸外国での規制や集客戦略といった幾多の問題が発生するでしょうが、確実にマーケットは拡大します。「すぐに」というわけにはいきませんが、グループ全体の業績への寄与を見込んでいます。ステップバイステップで、10年もたてば大きな変化を期待できるでしょうね。

―― 既存事業はどのように進捗していますか。

澤田 全体的にみると、業績面で順調に推移しています。特に長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」は非常に好調ですね。例えば、1千品種・100万本のバラが楽しめる 「バラ祭」では、来場された皆さんが感動して帰って行かれます。世界最大級のイルミネーションを誇る「光の王国」も同様です。

 今後も、利用者に感動していただけるようなイベントを続々投入すれば、来場者数は伸長するでしょう。毎年、来場者は数十%程度で推移しており、目標として掲げる年間300万人達成にも近づきつつあります。

―― 「ハウステンボス」におけるその他の取り組みは。

澤田 医療と観光を組み合わせて誘客を図る医療観光と、環境や自然について学ぶことができる教育旅行の利用客が伸びていますね。今後の取り組みとしては、省エネ性能や生産性の高さを備えた「スマートホテル」を来年開業する予定です。

「ハウステンボス」は単なるテーマパークではなく、「観光ビジネス都市」という形になると思います。これまでもいろいろなビジネスの実験を行っており、今後も「ハウステンボス」から面白い事業が生まれると思いますよ。

エネルギー・ロボット事業に「高い関心」

―― これまでも貴社は新しいビジネスを手掛けてきました。

澤田 本当にいろいろな事業をやってきたと思いますね。自分で立ち上げたのは、エイチ・アイ・エスや海外でのホテル業、スカイマークなどです。ほかにはハウステンボスや九州産業交通など、再建を引き受けた事例も少なくありません。金融事業を手掛ける澤田ホールディングスでは、モンゴルのハーン銀行を同国最大手に育てました。

 現在も、いろいろな業種でビジネスチャンスが続々生まれています。今後も新規事業への参入を積極的に考えていきます。

―― どういった事業分野に興味を持っていますか。

澤田 エネルギーやロボットに関する事業に興味があります。エネルギー問題は人類にとって大きな課題ですし、もうすぐ単純作業はロボットに任せて人間はもっと創造的な仕事に専念するような時代が来るのではないでしょうか。

 幸い私はビジネスをゼロから始めることと、M&Aで取得した会社を再建することの両方を経験してきました。今後も、これらの経験が生きてくるでしょう。多くの企業からM&Aの引き合いを受けており、やりたいことはたくさんありますが、現時点では人手不足が悩みの種です。人をどんどん育てて、いい方に入社していただく。当社が一層成長を図るに当たっての課題ですね。

―― 今後の人事戦略について教えてください。

澤田 現在の従業員数は、H・I・Sグループと澤田HDで各1万人程度、合わせて約2万人となっています。今後、アジアを中心とした海外に「ヒト・モノ・カネ」を一層投入します。国内でも旅行事業においてシェア拡大の余地があるなど、伸びる可能性がある領域は数多いです。すべてをカバーするには、将来的には10万人規模のスタッフが必要になると考えています。

 現時点での事業全体の伸長具合をみると、H・I・Sが売上高1兆円企業になるのは遠い先ではありません。従業員を増やしながら、サービスのクオリティーを向上させ、どれだけ利益体質を強化できるか。明るく健康で努力のできる人材を確保し、効率的に育てることができれば、業績も数兆円規模にまで拡大できるでしょう。

―― 貴社の10年後のビジョンについて。

澤田 世界中の顧客に貢献できる企業になりたいです。社会貢献という観点を一層意識した産業分野にトライしたいですね。同時に、人種や宗教が異なるスタッフを大切できる社風を一層醸成したいと考えています。

 
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