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経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

「アクティブなユーザーの存在が 驚異的な販促効果を実現」--出澤剛 (LINE取締役)

出澤剛氏

 O2Oのツールとして注目を集めているのがLINEの企業向け公式アカウントだ。従来のオンラインマーケティングと異なることと、確実に情報が届くアクティブなユーザーが存在することから、LINEはO2Oのマーケティングにおいて絶大な効果をもたらしている。LINEのO2Oにおける動きについて同社取締役の出澤剛氏に話を聞いた。

出澤剛(LINE取締役)

出澤剛(LINE取締役)

プッシュ力が強く、確実に情報が届くツール

 O2Oマーケティングが盛り上がっている中で、重要なことは、われわれはO2OマーケティングのためにLINEを展開しているわけではないということです。LINEは、日本のユーザー数が4500万人以上で、その約半分が1日に1回以上使うアクティブユーザーであり、コミュニケーションプラットフォームとして非常に大きなパワーを持っています。この巨大なプラットフォームを企業のマーケティングに利用していただいている状況です。ユーザーが日常的に使えるコミュニケーションプラットフォームがあって、そこにO2Oマーケティングもあるのです。

 他のSNSとの違いは、Facebook、Twitterなどのオープンなコミュニケーションに対して、LINEはクローズドなコミュニケーションであることです。オープンなコミュニケーションは情報をやり取りするのに対して、クローズドなプライベートのコミュニケーションはより身近な人との日々の感情をやり取りするケースが多いです。しかもLINEはスタンプを使ってポンポン発信する。どちらがコミュニケーションの量が多いかと言うと、感情のやりとりのほうがコミュニケーションの量が多い。LINEはそもそもアクティブになるような設計になっているのです。

 このため、マーケティングツールとして使う場合、LINEはプッシュ力、ユーザーに情報を届ける力が非常に強い。LINEのアクティブユーザーは、1日に何十回もLINEのメッセージのやりとりをする習慣を持っています。企業からのメッセージが来ても、ユーザーが確実に見てくれるので、開封率も自ずと高くなります。LINEそのものの性質や設計の思想から、「届きやすい、読まれやすい」のがLINEの特徴です。

 また、公式アカウントは、2タップするだけの非常に簡単なステップで「友だち」登録ができます。ユーザー、企業間に個人情報のやりとりがないので、双方にとって軽い運用ですが、必ず届くアクティブなユーザーがそこにいることになります。

 それに対して、既存の企業専用アプリのダウンロードや携帯メールの登録は、何回も手続きを経て個人情報を入力する手間があり、登録するのは本当に好きなコアなファンに限られます。一方で、そのブランドが好きで店にもよく行くが、会員登録はしないというライトなファンも結構いるはずです。LINEはそのハードルの低さから、こうしたライトなファンを囲い込むことができるツールでもあると思います。

LINEの特性を生かした抜群の販促効果

 こうしたLINEの特性を生かして広がっている企業のマーケティングが、企業アカウントの取り組みです。サービスを開始して、1年くらいですが、大手企業向けのメニューは既に100社以上に活用いただいています。また、街の商店、病院など中小企業を対象とした月額5千円の「LINE@」のサービスを昨年末から始めました。LINE@は数千件のお申し込みを受けている状況です。

 企業の公式アカウントの友だち数の上位は数百万人規模、500万人超えもザラになっています。また、公式アカウントに関連して、スポンサードスタンプがありますが、上位のスタンプは利用回数が1億回を超えるものもあります。

 スポンサードスタンプについては、例えば昨年11月にロッテの「コアラのマーチ」で実施した時には、期間中に600万人がダウンロードして、2カ月間で4千万回利用されました。設計上はO2Oではなくブランディングだけなのですが、お客さんが実際にお店に足を運んでいただき、11月のコンビニ売り上げが10%以上上がったそうです。

 また、スタンプと公式アカウントの組み合わせについては、大丸松坂屋で、友だちになると大丸松坂屋のキャラクター「さくらパンダ」の無料スタンプを配布する施策を行いました。その結果、1カ月で320万人の友だちが集まり、さらにそこでクーポンを配信したらLINE経由で6千万円弱売り上げが上がったそうです。

 LINE@でも、いしがまやハンバーク横浜店の例では、友だち200人に対してデザートクーポンを送ったら50人が来店したそうです。最終成果で25%来るというのは普通のツールではあり得ない驚異的な成果だと思います。

 O2O施策に関しては、さらにもう一歩進んで、マストバイスタンプを展開しています。これは最初にコカ・コーラの爽健美茶で行いました。店頭に並べた飲料のペットボトルにシリアルコードを記したネックストラップつけ、LINEのスタンプショップでシリアルナンバーを入力するとオリジナルスタンプがダウンロードできるというものです。コカ・コーラは4月に第一弾を行いましたが最大級の効果があったとのことです。大塚製薬などとの連携も始まっていますし、今後もマストバイの仕組みはどんどん出てくると思います。

 次の構想としては、LINE@に参画している企業をつなぐ仕組みづくりを考えています。イメージとしては、参画企業すべてに共通して使えるポイントやマイレージの導入です。例えば地方の一都市の商店街で、LINE@に参画している企業が数店あるとしたら、参画企業間を回流してもらう仕組みです。参画企業にとっては、自社の常連客だけでなく、他社の顧客も流入する効果があります。そういう共通のマイレージを構想しています。多くの企業に参画いただいて、LINEがエコシステムを提供するようなプラットフォームにしていきたいと考えています。 (談)

 
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