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経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

「シリコーン製カテーテルを中心に医療現場と患者さんに優しい医療器具を供給し続けます」--佐藤正浩・クリエートメディック社長

クリエートメディック社長 佐藤様正浩

シリコーンを素材とする医療用カテーテルなどの医療機器専門メーカーであるクリエートメディック。専門性が高い分野で実績を持つが、国の医療費抑制政策の下、経営環境は必ずしも安泰ではない。そのために早くから海外に視野を広げ、経営効率の向上と販路拡大に注力してきた。今後の戦略について佐藤正浩氏に話を聞いた。
(聞き手/本誌編集委員・清水克久)

シリコーン製カテーテルでトップシェア

-- まず、御社の沿革、事業内容をお聞かせください。

佐藤 今年で創立40周年を迎えたシリコーン素材の医療用カテーテルを中心としたメーカーです。創業当時、カテーテルと言えば塩化ビニール、ラテックス製のものがほとんどでした。これはコストが安く製造も容易なのですが、長期間体内に挿入していると臓器と癒着したり、炎症を起こす例も多く、体内から抜去するときに患者さんに苦痛を伴ったりするなど、長期間の使用には向いていません。

 一方、シリコーンはややコストは高いのですが、人体に無害なのです。当社はそのシリコーン製カテーテルに特化して事業を展開してきました。

 -- シェアはどの程度あるのですか。

 佐藤 カテーテルも用途によって、素材を使い分けることが多いのですが、導尿用のシリコーンカテーテルではトップシェアです。また、イレウス(腸閉塞)治療用のカテーテルは、当社が初めて開発した商品なのですが、これもトップシェアになっています。

 どのような製品をつくるのかは、病院、医師と定期的にコミュニケーションを取って、現場からの要望を開発につなげています。中には、当社で用途を開発するケースもあります。例えば、導尿用のカテーテルは尖端部にバルーンが付いていて、簡単に抜けない構造になっています。その機能を生かして、他の用途、部位に使えるバルーンカテーテルの開発も行ってきました。

-- カテーテルと一口にいっても実際にはさまざまなものがあるのですね。

佐藤 先ほどのバルーンカテーテルだけではなく、1本のチューブで3つ以上の穴(ルーメン)が空いているものなどもあります。また、同じ太さのチューブの内径を大きくとる加工がシリコーンでは可能です。

 水圧を利用して先端を曲げることができるカテーテルもあります。今、現場で求められているのは、医師が使いやすく、患者さんの負担が少ない医療器具なのです。

-- 競合他社との違いは、シリコーン製に特化していることでしょうか。

佐藤 もちろん、シリコーン素材に注力していることは、当社の特長です。ただ、それだけではなく、分野に応じて、求められる機能を付加することにこだわっています。

 そのために、医療現場で必要とされる機能を見きわめ、早急に開発、製品化する努力をしてきました。社員数は400人ほどですが、その1割弱の30人ほどが研究開発スタッフです。

アジアでもシリコーン製カテーテルの拡販に注力

-- 現在は、医療費抑制の動きがありますが、単価下落の影響はあるのでしょうか。

佐藤 カテーテルのような医療用器具も薬と同じで2年に1度、公定価格が改定されます。これをもとに、医療機関への償還価格が決まるのですが、これは下がることはあっても、上がることはありません。

 特に血管造影関連の製品は単価の下落率が大きい傾向があります。医療機器は価格が下がったから需要が喚起されるようなものでもありませんから、環境としては厳しいと言わざるを得ません。

-- 単価の維持や経営効率向上で注力されていることは。

佐藤 高機能の製品は競争力が高いのですが、汎用のカテーテルは価格競争が激しいのが現実です。そのために、生産コストが安い中国やベトナムでの生産を行っています。

 中国では、まず1996年に北京で合弁企業を設立し、現地での生産を開始しました。つぎに、2001年に大連に独資企業を設立し、生産能力の増強を図りました。

-- 中国では生産だけで販売はしていないのでしょうか。

佐藤 同じく大連に販売企業を設立して、中国全土の医療市場にも製品を投入しています。生産基地としてだけでなく、販売マーケットとしての中国市場も今後の成長に大きな期待をもっています。

 ベトナムでは10年に生産拠点を設立して、現在、2カ所の工場が稼働しており、これから生産規模を拡大します。また、ベトナムを基点にして、タイ、マレーシア、インドネシアなど各国の医療市場への販売にも参入していきたいと考えています。

-- 今後の目標などをお聞かせください。

佐藤 今年の連結売上高は、中期計画の目標を下回る見通しになっています。要因は複合的で一概に言えないのですが、14年から始まる次期中期計画で早期に売上高100億円突破を達成することが当面の目標です。安全で高品質な製品を提供していけば、おのずと数字は付いてくると思います。

 経営のモットーとしている、「からだにやさしい未来の医療」を重視して、製品作りとその供給に力を入れていきます。そのため、さらなる開発部門の増強にも取り組んでいきたいと考えています。その中核となる開発拠点として、国の国際戦略総合特区になっている神奈川県川崎市殿町地区において、16年をめどに新たな施設の建設を進めてまいります。

 

クリエートメディック社長 佐藤正浩

【さとう・まさひろ】
1983年神奈川大学法学部卒業後、同年クリエートメディックに入社。99年総務部長、2002年取締役執行役員経理部長。06年同管理統括部長兼人事部長を経て13年3月に社長に就任。

 

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