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経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

「高い技術力と提案力を元に、お客さまに喜ばれるオーダーメイド住宅を提供します」--市川俊英・三井ホーム社長

オーダーメイドによる高級感あふれる高品質な木質系住宅のパイオニアとして定評が高い三井ホーム。2×4工法の草分けとしての実績も豊富で、高いブランド力を誇る。市川俊英社長は三井不動産時代に「東京ミッドタウン」などの大規模プロジェクトを手掛けてきた街づくりのプロ。住宅メーカーのトップとしてどのような戦略を描くのか。 (聞き手/本誌編集委員・清水克久)

顧客一人ひとりに専属の設計士などを配置

-- 住宅メーカーは、おおむね業績が好調のようですね。

市川 消費増税を意識した駆け込み的な需要もあり、昨年9月までは好調を持続していましたが、増税の猶予期間終了後は、やや受注は落ちています。この反動減の状態はしばらくあるかもしれませんが、昨年9月まで17カ月連続で対前年比プラスの受注が続いていたので、現状が悪いというよりは、平時に戻ったととらえています。

-- 御社は、比較的高価格帯の住宅が中心ですね。

市川 当社の家づくりは基本的にオーダーメイドですから、規格品はありません。一部セミオーダー的住宅もありますが、あくまでもオーダーメイドであり、建て売りはごく一部に限られています。そのせいもあって、購買層は比較的富裕層が多い。しかし、当社のサービス、住宅のクオリティーを考えると一概に高価だとは思っていません。お客さまに提供している価値、品質は、価格以上だと自負しています。お客さま一人ひとりの要望をきめ細かにお聞きして、それをかなえることをコンセプトとしているからです。デザイン性まで含めて、お客さまのニーズをとらえ、夢をかなえる住宅を提供していくことが創業時からの変わらない考え方です。社内には営業、設計、インテリア各部門に優秀な人材がそろっています。また施工を担当してくれている各地の協力工事会社も一流ばかりです。

-- 競合も多い業界ですが、他社との差別化ポイントは。

市川 単に住宅を造るのではなく、お客さまのライフスタイル、今後の生活設計、家族との関係をお伺いして、どういう暮らしをしていきたいのかをまずお聞きしています。中にはお客さまが意識していなかった潜在的な思いが浮き彫りになることもあり、そのようなコミュニケーションを大事にして、理想の家を提案します。

 お客さまには営業だけでなく、設計士もインテリアコーディネーターも必ず専属の担当が付きます。そのプロが、そのお客さまとの十分なコミュニケーションに基づきベストなソリューションを提供するのです。これらの手間を惜しまないからこそ、高額商品を売っていけるのです。こうした仕事ができるのは、全社員が高いホスピタリティーマインドを持っているからです。お客さまの悩みを解決したい、いい家を造りたいという気持ちが強い。このホスピタリティーを落とすことなく、着実に利益を上げていくことが経営に求められている課題と認識しています。

成長市場のリフォーム分野に活路を

-- 住宅以外の物件も手掛けていると伺いました。

市川 幼稚園やスーパー、高齢者介護施設、医院なども手掛けています。これらもすべて木質構造で造られている点が特徴です。今、世の中では木の温もりの良さがあらためて見直されています。また木材は、コンクリートや鉄に比較して、価格上昇の懸念が少なく、工期も短縮できます。さらに木はサスティナブルな素材であり、調湿や調温などの効果もコンクリートよりも優れています。

-- 最近ではリフォーム需要も大きくなっていますね。

市川 昨今は、いい家に付加価値を加え、長く住むという考えが広まっており、そのためにリフォームへの関心が高くなっているのは事実です。当社でも既存のお客さまを中心にリフォーム分野の業績は伸びています。将来的に人口増が期待できない状況の中で、リフォーム市場はさらに成長していくことが予想されます。それゆえ今、最も注力しなければならない分野だと思っています。

-- 既存顧客の会員組織があるそうですね。

市川 これまで約20万棟の住宅を手掛けており、そのお客さまからリフォームの依頼を頂くことが多いのですが、そのベースとなっているのが、「Mitsui Home Club」で、現在は1万4千人の会員がいらっしゃいます。このクラブでは、リフォームに関する情報以外にも、インテリアの紹介、住まい方の提案、さらにメンテナンスグッズの販売など、今の暮らしに必要なモノやサービスを提供しています。

 多くのお客さまから、当社の住宅は安心できる、またデザインが気に入っていると、お褒めの言葉を頂くことがあります。住宅産業は売って終わりの仕事ではありません、お客さまとは基本的に20年、30年といった長いお付きあいになることを前提に、問題があれば早期に解決するといったことを常に気に掛け、現場に指示しています。

-- 今後の経営課題は何でしょうか。

市川 まず、収益力を高めなければなりません。これは、現在の社員たちがもっとノビノビと働ける環境をつくることで解決できます。また、トータルとしての営業力のさらなる強化も急務です。幸い当社の技術力、営業力は、他社に勝るとも劣りません。その能力を最大限には発揮させるマネジメント力が今問われているのです。

 

三井ホーム社長 市川俊英

【いちかわ・としひで】

1954年熊本県生まれ。77年一橋大学商学部卒業、同年三井不動産入社。2005年執行役員、08年常務執行役員、11年常務取締役を経て、13年6月より現職。

 

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