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「耐震・免震工法等の建設向け構造機材製品が主力。海外では自動車関連製品にも進出」--廣渡 眞・岡部社長

耐震・免震工法等を中心に、建設向け金属製品において多くのトップシェア製品を擁する岡部。その長年にわたって培った金属加工技術で海外では自動車関連製品事業にも進出し、バッテリー向け金属部品では世界市場の3割を握る。今後の成長戦略について廣渡眞氏に話を聞いた。(聞き手/本誌編集委員・清水克久)

岡部・廣渡眞氏は語る 幅広い用途がある耐震、免震装置を開発

-- まず御社の事業内容をお聞かせください。

廣渡 当社は1917年にボルトやナット、かすがいといった一般建築金物の製造販売業として創業しました。

 戦後の復興需要に対応して、建設業界向けの金物の開発を行い、51年にはコンクリート打設時に使用するコンクリート型枠締付ボルト(フォームタイ工法)の製品化に成功しました。その後、建築・土木業界の技術革新もあり、当社もそれに対応する形で常に技術革新を行ってきました。

-- 最近は耐震・免震装置が注目されているようですね。

廣渡 今、鉄骨の建物が増えている中で、それに対応した当社の「ベースパック柱脚工法」が注目されています。また杭頭補強工法や梁貫通孔補強材など、その他多くの耐震・免震製品をラインアップしております。

 取引先は大手ゼネコンから一般の工務店まで多岐にわたり、取引先の数は特約店が全国に180、販売店ですと420社、これに加えてゼネコンさんなどに販売する例もあるので、その数は数千社に上ります。

-- それだけの取引先を維持するのは大変ですね。

廣渡 数に加えて、当社の製品の特長が一見分かりづらいという問題もあります。そこで、日頃より営業担当者の技術水準の維持向上に努めるとともに、営業担当者全員にiPadを携行させ、実験風景や施工状況の画像や動画を用いて、製品の提案が行えるように工夫しています。

-- 技術開発部門の開発スタッフは。

廣渡 技術開発部のメンバーは、40人ほどです。万一、地震があったときに、当社の製品が機能しなかったら、人命にかかわります。それだけに、実験に実験を重ねて、本当に信頼が置ける製品だけを送り出しています。

-- ほかに特徴的な製品は何ですか。

廣渡 長年培った金属加工技術を生かして、自動車関連部品にも進出しています。特に、バッテリーの金属部品です。2005年に米国のウォーター・グレムリン社を買収し、07年にはイタリアの競合であったアクイラ社を買収しました。また14年には中国工場が本格稼働する見込みです。自動車用バッテリーは新車だけではなく、アフターマーケットにも大きな需要があるのが特徴になっています。ニッチ市場ではありますが北米では70%以上、欧州でも25%以上のシェアを有し、30%以上の世界市場シェアを獲得しています。中期的には成長市場である中国工場の稼働により、世界市場シェア50%を目指しております。

岡部・廣渡眞氏の思い 創業100周年に売上高750億円を

-- 海洋分野にも進出しているようですね。

廣渡 08年より、人工魚礁の製造販売事業に進出しております。これは畑違いの事業を展開しているのではなく、建築、土木資材の製造で培った技術を生かして展開している点が特徴です。水産資源の保護、育成につながる社会貢献度の高い事業であり、海洋国家であるわが国においては欠かせないビジネスです。現在は国内が中心ですが、水産資源のニーズは世界で高まっておりますので、今後は海外展開にも注力していく予定です。

-- 今後の展望をお聞かせください

廣渡 建設業界は景気の影響を非常に受けやすい業界です。今後は、そういった景気に左右されにくい、特色ある製品を開発していきたいですね。そのためには、人材の育成が欠かせません。新卒採用も景気に左右されず、常に一定数の採用を行うようにしています。そうすることで、社内の年齢構成が歪にならないようにしているのです。また現在60歳定年なのですが、再雇用で65歳まで働いていただけるようにしています。そういった方々は経験値も高く、戦力として貴重であるだけではなく、若い世代への技術、経験の継承にもつながります。

-- 会社が目指す未来像はどのようなものでしょうか。

廣渡 俗っぽい言葉ですが、ワクワクする会社にしたいですね。従業員にとって働きがいがある会社であり、仕事に誇りが持てるような会社にしていきたい。そのためには、上司と部下の関係も良好で、従業員同士の連帯感が高い環境をつくらなければなりません。そこで、毎年年初、従業員全員にアンケートを採って、隠れた課題を抽出する取り組みを行っています。

-- 数値的な目標はあるのでしょうか。

廣渡 現在、中期経営計画として「okabe︲1番星★Plan︲2017」というものを展開しています。17年は創業100周年なので特別な意味があります。その中で、売り上げ750億円、経常利益70億円達成の目標を掲げていますが、少しでも早く達成したいですね。そして、新たな生産設備や実験施設などに積極的に投資していきたいと考えています。メーカーとして、研究開発、製造工場が生命線ですから、その強化が最優先だと思っています。

 

岡部社長 廣渡 眞

【ひろわたり・まこと】

1956年生まれ。80年明治大学卒業、同年岡部入社。2005年執行役員。09年取締役本社営業部長。11年常務取締役営業部門管掌。13年3月より現職。

 

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