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「徹底的に色の再現性にこだわり 高品位印刷で差別化を目指します」--犬養岬太・光陽社社長

印刷業界の中でも特に〝色彩〟に強いこだわりを持つ光陽社。最近ではウェブ制作、デジタルサイネージなどを始め、デジタル領域にも進出しているが、その事業の根幹には、色へのこだわりが今も息づいている。現状の取り組みと今後の経営方針について、犬養岬太氏に話を聞いた。 (聞き手/本誌編集委員・清水克久)

犬養岬太氏が語る 光陽社の印刷は、色の妥協を許さない

-- 数多い印刷会社の中で、御社の特徴は。

犬養 とにかく、印刷品質、特に色彩への強いこだわりがあります。当社はもともと、印刷の中でも製版という分野に特化して生まれた企業です。印刷において、色のほとんどは製版で決まると言っていい。アナログの時代もさることながら、印刷物をデジタルで作成し、データ入稿が当たり前の今日でも、データをそのまま印刷していたのでは、いい色は出ません。当社は、「本来出すべき色」にこだわってデータを調整し、お客さまが望む色、あるいはそれ以上の色で印刷することにこだわっています。その背景には品質にこだわり抜く、わずかな妥協も許さないという気風が、社員一人ひとりにあるからです。

-- 高品質の印刷は重要なポイントですが、経営効率との両立は難しいのでは。

犬養 そこが大きな課題です。現在取り組んでいるのは、品質を落とすことなく、生産性を向上させることです。ここで重要なのは、生産性向上のために品質を犠牲にしないということ。今は、常に営業担当と工場のスタッフが連携して、生産性向上のための改善点を洗いだしています。

 こういった取り組みにおいては、上意下達で「やれ」といっても効果は上がりません。社員それぞれが自主性を持って取り組まなければなりません。現在、共通認識として、今以上に良い仕事をしようという意識が高まっていると思います。

-- デジタルコンテンツも普及して、印刷業界は厳しい環境にあると言われています。

犬養 確かに、この10年ほどは、印刷業界には逆風が吹いていますが、安値競争はせずに当社の強みを理解してくださる企業を新たに開拓していくしかありません。良い会社とは、永続的に存続し続けることができる会社です。急成長もいいですが、何よりもまず、安心して働ける会社になること目指します。

-- 印刷物としてはどのような分野が得意ですか。

犬養 量が多いのは商業印刷、カタログですね。アパレルをはじめ、印刷物での色の再現性にこだわる企業は、当社と長く取引していただいています。

 今、印刷はデジタル化されていますから、お客さまから預かったデータをそのまま印刷する会社も多いですが、当社は色にこだわります。それで高級カタログや美術印刷などが得意分野なのです。特に美術印刷では、作家の方が何度も色校正を御覧になって、納得できるまで何度でもデータを作り直します。そういったことに対応している印刷会社は少ないと思います。

犬養岬太氏の語る今後の光陽社 価格競争に左右されない独自のポジションを

-- 最近の印刷会社は、マーケティングの提案なども行っていますね。

犬養 印刷業のポイントは、色と価格と納期の3つしかありません。ですから、他社と差別化しようと思えば、他の分野を取り入れる必要もあります。そのひとつがマーケティングであったり、デザインであったりします。しかし、それぞれ専業でやっている企業も多くあり、そこといきなり勝負するのは難しい。まずは印刷の力を大事にしなければなりません。

 当社もマーケティングには取り組んでいますが、まだ社員全員がお客さまに提案できるレベルになっていません。そこで、現状では、全員ができる闘い方をしていきます。その上で、近い将来には、新たな部署を設立して、マーケティングなどの分野に挑戦していくことになると思います。

-- 最近は、印刷通販など、印刷の低価格化、同時に手軽さも強調されていますね。

犬養 そういった分野は、とかく価格競争に晒されます。こう言っては何ですが、印刷されていれば何でもいいという傾向には疑問がありますね。

 品質を重視する当社としては製版だけでなく、インクも特殊なものを使用したり、次世代オフセット印刷「The Favorite」という高品位印刷も行っています。最初に申し上げたとおり、製版にこだわる、つまり色にこだわるのは、人の力、文化によるところが大きいと思います。

-- ほかに新たに組んでいる分野はありますか。

犬養 印刷物の企画から提案、デザイン、印刷、納品までワンストップで提供できるサービスもあります。

 ほかにも、ウェブデザイン、eブックの制作といったデジタルコンテンツ制作、オンデマンドのPOP制作、デジタルサイネージをはじめとするディスプレーのサービスなどは以前から取り組んでいます。またこれから先、今以上に積極的に取り組んでいく分野として、ユニバーサルデザインへの取り組みがあります。

-- 今後の展望をお聞かせください。

犬養 利益として毎期1億円を安定して計上できる会社にすることが当面の目標です。将来的には売上高45億〜50億円、利益が数億円になることを想定しています。利益が安定的に出せるようになれば、給与面で社員にも十分に還元できますし、企業として永続的に発展していけると確信しています。

 

光陽社社長 犬養岬太

【いぬかい・こうた】

2004年早稲田大学法学部卒業。同年大和証券入社。07年ugo入社。13年光陽社顧問を経て6月より現職。

 

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