媒体資料
経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

「ジュエリー事業の多チャネル展開に加えて、アパレル 事業、Eコマース、海外展開など、常に挑戦を続けていく」--鈴木秀典・ヨンドシー(4℃)ホールディングス社長

ファッションジュエリー事業を中心に、アパレル事業にも進出しているヨンドシー(4℃)ホールディングス。9月1日に、F&AアクアHDから、ジュエリー部門のメーンブランド・「4℃」を付加した社名に変更した。今後の事業戦略について、社長の鈴木秀典氏に話を聞いた。(聞き手/本誌編集委員・清水克久)

客単価10%増で業績も順調に伸びる

-- 現在、景気も回復基調にあり、宝飾品などは販売が好調だと聞いています。

鈴木 当社のジュエリーはファッションジュエリーが中心で、メーンターゲットは20代から35歳くらいまでです。ですから、景気回復による資産効果はあまりありません。しかし、東日本大震災以降、生活用品は節約する一方で、絆効果というか、何かあったときには良い品を買う、若い2人の気持ちを確かめるために良い品をプレゼントしたいという気持ちはあるようです。実際、客単価は上昇しており、今年に入ってからも10%程度は上がっています。

-- 7つのショップブランドを展開していますが、中でも好調なブランドは。

鈴木 中軸である「4℃」は安定しています。特に目立つのは「4℃BRIDAL」という、ブライダル専門ブランドと「canal4℃」という業態です。4℃BRIDALは、もともと当社の4℃がブライダルに強いという側面があったので、専門店として展開したものです。canal4℃は、ヤング・キャリア層が百貨店で物を買わなくなったことを意識して、駅ビルやファッションビルに出店しています。前期末で4℃BRIDALが23店舗、canal4℃が24店舗ですが、今年もそれぞれ8店舗、6店舗、出店して、それぞれ最終的に50店舗まで増やす計画です。売り上げでも、4℃BRIDALが前年比46%増、canal4℃が同17%増を今年度は見込んでいます。

-- アパレル事業にも進出されていますね。

鈴木 アスティグループ、三鈴、アージュの3つの軸でアパレル事業を展開しています。アスティグループは、企画機能と生産機能を併せ持つアパレルおよびバッグメーカー、地方マーケットを基盤としたホールセールで構成されています。三鈴は駅ビルやファッションビル、郊外型のショッピングモールにエレガンス系のショップを出店。アージュは西日本を中心に展開しているデイリーファッション『パレット』が主力です。

新たな販売チャネルやターゲットの開拓を

-- Eコマース、海外事業はどうですか。

鈴木 ブライダルを除くほとんどのブランドでEコマースを展開しています。自社サイトだけではなく他社サイトでの販売も行っていますが、現在は自社サイトのほうが売り上げは好調です。Eコマースでの売り上げは昨年度5億円を超え、順調に伸びています。感覚としては、店舗が1つ増えた感覚です。

 海外での展開は中国がメーンです。今は4℃ジュエリーだけを展開しており、昨年3店舗出店して合計4店舗になっています。まだまだ小さいのですが、今はどういう商品構成が良いのか、ターゲットをどうとらえていくのか、実験している段階です。4~5年でめどを立てて、その後の成長につなげていきたいと思います。

-- 9月1日に、社名変更されましたね。

鈴木 もともと当社は広島で誕生し、地元での卸売業がメーンでした。7年前に現在のホールディングス体制になりましたが、その当時でさえ、売上構成比は45%を卸売業が占めていました。それが今年2月に小売業が売り上げの8割を占めるようになり、利益ベースでは9割以上になった。ここまで小売業がメーンになると旧社名のF&Aアクアでは知名度が低い。お客さまにもっとも認知されたブランドである4℃を社名に掲げようというのはそういった意図です。

 もうひとつの理由は、昨年度、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高益を更新。中期経営計画も1年前倒しで達成し、事業のステージが変わったととらえています。これらの事情も含めて社名変更の絶好のタイミングだと考えました。

-- 中期経営計画で掲げた、「Challenge & Progress(挑戦と躍進)」というスローガンの狙いは。

鈴木 どのような経営環境においても持続的な成長を実現する組織・事業を構築することを目標に、「攻めの姿勢」を基本としています。canal4℃も4℃BRIDALも含めて、挑戦し続けることが重要なのです。昨年秋には「MAISON JEWELL」(メゾンジュエル)という新ブランドを起ち上げました。これは郊外型のショッピングモールでの販売を狙ったブランドです。また、今年秋にも新ブランドを起ち上げます。常に新たな挑戦を続け、そしてその挑戦を形にして、さらなる飛躍を目指していく。そういった想いを込めたスローガンです。

-- ターゲットや販売チャネルに合わせたブランド展開を続けていくのですか。

鈴木 マーケットに応じたブランドポートフォリオを構築していきます。どのマーケットにどのようなブランドを投入するのか、そのブランドでどのようなターゲットを開拓していくのか。これまで4℃は百貨店への出店を基本としていたのですが、他の販売チャネル、ターゲットに合わせたブランド展開はこれまでも行ってきましたし、今後も拡大していく予定です。

 

ヨンドシー(4℃)ホールディングス社長 鈴木秀典

【すずき・ひでのり】

1955年生まれ。79年立命館大学法学部卒業、同年十和(現・ヨンドシー「4℃」ホールディングス)入社。グループ会社のエフ・ディ・シィ・プロダクツ取締役等を経て、2009年取締役、11年常務取締役。13年3月より現職。

 

【新社長登場】の記事一覧はこちら

経済界ウェブトップへ戻る