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アパレル資材メーカーから情報伝達インフラ企業に転身する100年企業–ナクシス

 創業122年のナクシスはアパレル副資材の企画開発や製造販売を手掛けている。現在は自動認識技術を用いて無人レジ業務や在庫管理などを支援するICタグ、RFIDの開発に注力。斜陽産業とされるアパレル業界や国境の枠を超え、業容を拡大している。(『経済界』2020年4月号より転載) 

中村待朋氏

ナクシス代表取締役COO 中村待朋(なかむら・たいほう)

 

 「私たちは自社の立ち位置をアパレルの副資材メーカーから 『情報伝達インフラ企業』に再定義しました。現在はアパレルや日本という枠に捉われず、RFIDを武器に幅広いマーケットで勝負を挑んでいます」

 ナクシスの中村待朋代表取締役COOは力を込める。同社は2005年、業界に先駆けてRFIDの開発に着手。しかし、当時は1枚100円前後と高単価で時代を先取りし過ぎたためか、全く売れなかった。「苦しい時期が続きました。正直に言って見込み客の皆さまは総じて塩対応でしたね」と振り返る。

 大きく風向きが変わったのは、日本の電子タグシステムの周波数が海外に多い920MHz帯へ移行した12年だ。これによって高速通信が可能となり、大手セレクトショップにRFIDの導入が進んだことで単価が低減し、業務効率化を目的に人手不足にあえぐ中小企業の利用も加速。同社では大手SPAアパレルの実証実験と全店導入が弾みとなり、収益が一気に拡大した。

 「以前は商品の入出庫や在庫管理の効率化を実現するツールとして提案していましたが、几帳面な国民性を持つ日本企業には刺さりませんでした。今ではスタッフの生産性向上を目的とする多くの企業に当社の製品をご活用いただいています」

 現在では約120社に導入しており、RFID事業の売り上げは既に全体の約22%を占めている。アパレルに限らず、製造や物流などさまざまな業界業種へ製品を卸している。

 飛躍のきっかけをつかんだが、攻めの一手を緩めることはない。RFIDの加工にとどまらず、電子部品の設計を開始。従来では難しかった水や金属に強いアンテナを開発、日用品雑貨など新たな市場を開拓する。

 「設計開発という川上を押さえて、厳しい競争環境で勝ち残れる体制を築いています。積極的な設備投資やエンジニアの採用もあり、グローバル企業に伍していけるようになりました。『GO GLOBAL』をモットーに変革のための大号令を掛けています」

 同社はアジアの生産8拠点によるグローバル供給網を確立。欧州のアパレル大手との取引が既に始まり、着々と地歩を固めている。

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会社概要
創業 1897年
設立 1965年
資本金 3,000万円
売上高 226億円(2018年度連結)
所在地 京都市上京区
従業員数 2,160人(2019年連結)
事業内容 RFIDタグ・RFIDインレイの設計開発、製造、販売
https://naxis.net/
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