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「不動産の開発・賃貸から施設管理までを一貫してサポートできる強みを生かしてさらなる飛躍を」--林 隆・大成有楽不動産社長

大成建設グループの不動産開発・賃貸を手掛ける有楽土地と建物・施設管理を担ってきた大成サービスが合併して約1年がたった。大成建設にとっては、主力の建設業に次ぐ事業の柱として期待が高い不動産業・建物管理業だけに、大成有楽不動産の業容拡大と発展は急務となっている。そこで林隆社長に現状と将来像を聞いた。 (聞き手/本誌編集委員・清水克久)

林隆氏は語る 不動産業と建物管理業の一体化でシナジーを

-- 2012年4月に業種が異なるグループの2社が合併した背景は。

 有楽土地は不動産業を、大成サービスは建物管理業を行ってきました。共に業績が下がっていたわけではないのですが、やや停滞ムードにありました。大成建設グループが、グループ力を強化していくに当たり、ここは手を入れなければならない。この停滞する情況を打破するために、従来とは違うアプローチが求められたのです。それが、建物のライフサイクル全般で事業を展開していくという考え方です。建てたら終わりではなく、建てて、管理していく。これを一体となってサービス提供するために、両社は合併したのです。

 大成建設グループ内のシナジーを期待しての合併でしたがそれから約1年が経過して、より一層、その期待が大きくなっています。当社は、マンションの開発・管理という住宅事業と、ビルの賃貸・管理を中心とした不動産・施設管理事業を展開しています。そのいずれにおいても、不動産の開発から管理まで、一貫したサービスが提供できることは大きな強みです。グループ内のバリューチェーンを今まで以上に強化、発展させることができると思います。

-- マンションの管理事業の現状と展望は。

 マンションの管理事業はストック市場であり、有望な市場です。最近のマンション購入者へのアンケート調査結果では、マンション検討時に重視した項目として、「管理会社がしっかりしている」という項目が上位に上がってきています。マンション市場で大手の寡占化が進む中、各社はどのように差別化すれば良いのかを真剣に考えています。その中で、何より重要なのは管理の在り方です。

 当社は、6万戸前後の分譲マンションを管理しており、管理会社としては中堅クラスです。今後、独立系の管理会社や大手マンションデベロッパー系の管理会社と伍して戦っていくには、マンション管理そのものの差別化が重要になってきます。

-- 具体的にはどのような取り組みになりますか。

 マンション管理は、リプレイスが多い業界です。管理組合では毎年、理事会のメンバーが替わりますから、それだけ管理会社の変更を検討する機会も多いのです。そこで理事会、管理組合への対応を密にした「顔の見える管理会社」として、きめ細かいサポート体制で臨むことが求められます。当社では、入居者交流会等のコミュニティー形成支援と防災マニュアル作成等の防災啓蒙活動に特に注力しています。今後は、さらに独自色を強めていきます。

林隆氏の思い 売り上げ1千億円、経常利益50億円は最低線

-- 一方、マンション分譲のほうはいかがでしょうか。

 景気が回復傾向に向かっていることはとてもありがたいのですが、まだ、正直なところ、売れ行きに大きく反映するまでには至っていません。それよりも、建築費の上昇など事業コストが増加傾向にあり、用地取得に影響が出始めています。

 また、販売面ですが、お客さまの目線は、とても厳しくなっています。これまでは、間取りなどの希望条件と少しずれても検討していただけましたが、今はそうではありません。自分が望む条件に対する目線が厳しくなっていて、ネットなどで詳細に比較しておられます。

-- 少子高齢化の影響はどうですか。

 本格的に影響が出るのは世帯数の減少が顕著になる、もう少し先のことでしょうが、影響は少しずつ出ています。単身世帯の増加、高齢者世帯の都心回帰など、マンションに対するニーズも変化し始めています。そうなると、ハード面だけではなく、ソフト面、管理でのサービスで差別化していくことが重要になります。

-- もうひとつの柱である不動産・施設管理事業についてはいかがでしょうか。

 ビルや公共施設などの管理から不動産の仲介、賃貸まで多様な事業領域を持つことが最大の特徴です。不動産や建物に関するさまざまなことに対応できる会社だと自負しています。

 特に、プロパティマネジメントとビルメンテナンスを同じ会社で行う管理の総合提案ができる点は大きいですね。別会社で行っているところが多いのですが、プロパティマネジメントとビルメンテナンスは連携して行うほうが効率的だと思います。

-- 社長就任直後、売り上げ1千億円、経常利益50億円を目標と発言されていました。

 その数字は安定的に達成することを前提にした目標です。現在の組織、規模を考えると、それ位の数字はコンスタントに出していかなければならないと思っています。不動産事業は市況に業績が左右されやすい面がありますが、管理事業は比較的安定しています。2社が合併したことにより、一層安定した経営環境で、多様な事業を展開できるようになりました。さらなる成長を期して売り上げ1千億円、経常利益50億円は、最低限の目標だと思っています。

 

大成有楽不動産社長 林 隆

【はやし・たかし】

1951年生まれ。74年立教大学経済学部卒業、同年大成建設入社。2006年執行役員住宅事業本部長兼大成建設ハウジング社長。09年常務役員調達本部長、10年常務執行役員営業推進本部長。12年4月より現職。

 

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