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情報漏えいをガードし、業務効率改善。仮想デスクトップでオフィス環境改善を目指す--佐藤直浩 アセンテック社長

飛び出せベンチャー

企業などでデスクトップ環境を仮想化し、サーバー上に集約。利用者はネットワークからデスクトップ画面を呼び出し作業する。いつでもどこからでもアクセスして業務ができるため、導入する企業が急増している。

急拡大中の仮想デスクトップ市場でアセンテックが大手企業への導入実績

佐藤直浩・アセンテック社長

佐藤直浩・アセンテック社長

 仮想デスクトップインフラ(Virtual Desktop Infrastructure=VDI)を中心とした企業向けITソリューションの販売や構築を手掛ける。2009年2月の設立だが、前身企業を含め、1998年からVDI事業を行ってきた。

「昨今注目されるBYOD(Bring Your Own Device=個人端末の業務利用)や、震災後の事業継続ニーズで仮想デスクトップ市場は大幅に拡大しています。NTTグループ(NTTコミュニケーションズ、NTTデータ)や日本IBMなど大手企業をビジネスパートナーとして、金融機関や自治体などに導入していただいています」

 という佐藤直浩社長は、日本テキサスインスツルメンツ、日本IBMを経て、仮想デスクトップに特化したエム・ピー・テクノロジーズ(現在のアセンテック)の社長に就任した。三菱東京UFJ銀行、巣鴨信用金庫、東京都町田市役所、東京農工大学などが導入。Wyseの出荷台数は、国内累計で25万台を突破した。

 仮想デスクトップとは、企業などでデスクトップ環境を仮想化してサーバー上に集約したもの。利用者はネットワークを通じてサーバー上の仮想マシンに接続し、デスクトップ画面を呼び出して操作する。

 VDIではサーバーコンピューター上に社員数に見合った多数の仮想マシンを用意し、それぞれにデスクトップOSと必要なアプリケーションソフトをインストールする。社員などがコンピューターを使うときは、個々人に配布されたパソコンや専用のシンクライアント端末などからネットワークを通じてサーバーに接続し、自分のデスクトップ画面を呼び出して利用する。

 従来のような各個人のパソコン自体にOSやソフトが入っている方式に比べ、サーバーで集中管理することによりソフトウエアの追加や更新、修正などのメンテナンスが容易となる。物理的なコンピューターの実体とデスクトップ環境が切り離され、どのコンピューターからでも自分用の画面・環境を呼び出して使えるため、異動や出張、在宅勤務、フリーアドレス制などに柔軟に対応できる。

 また手元のコンピューターにデータやプログラムなどを保管しないため、USBストレージなどを通じたウイルス感染や情報漏えいを防ぎやすい。利用者の手元のマシンはキーボードやマウスの入力を受け付けてサーバーに送信し、画面イメージを受信してディスプレー装置に映すだけで良いため、パソコンより単純で安価な専用端末を導入できる場合もある。

「仮想デスクトップは、ネットワーク環境があれば、携帯電話やタブレット型デバイスなどで、いつでもどこからでも会社や自宅のパソコンにアクセスできます。端末にデータを残さないので、会社はセキュリティーが担保され、余計なコストを掛けなくて済みますし、自分の使い慣れた端末で業務環境が使えるので、効率がアップします。双方にメリットがあるものなのです。このところ、個人情報の漏えいが多発しており、仮想デスクトップへの期待が多く寄せられています。先の東日本大震災では、会社のパソコンが破損されてしまったお客さまがいます。でも当社のサービスを導入していたため、データ消失をすることなく、代わりのデバイスを持ち込んで業務を短期間で再開できました」

アセンテックが秋葉原にショールームを開設 仮想デスクトップ導入を提案

 現在、Wyse、ThinPrint(印刷)、IVEX Logger(ログ)、LoginVSI(テストツール)、SANsymphony‐V(仮想ストレージ)、Safenet(認証、暗号化)、AppDNA(マイグレーション分析)などの1次代理店。ちなみにWyseとは、端末に必要最小限の処理をさせ、ほとんどの処理をサーバー側に集中させたシステムのシンクライアントのグローバルリーダー、Wyse Technology社の主力商品だ。

 国内仮想デスクトップの市場規模は、12年が3526億円(IDC Japan調べ、以下同じ)。13年は4751億円、17年には9127億円まで拡大すると予想されている。年平均成長率は20%を超える高成長が期待される分野である。これに伴い、国内仮想デスクトップ導入率は、12年の20・2%から17年には48・7%へと拡大すると見込まれている。市場が急拡大している分野だけに競争も激化しており、富士通、NECなど大手も参入して鎬を削る。その中で、アセンテックはWyse ThinClient端末で国内シェアナンバーワンの実績を持つなど、設立以来30~50%の成長率という。

「市場は拡大中ですが、仮想デスクトップ導入率の上昇と共に、市場の成長率は次第に鈍化していくでしょう。その中で、どう自社の優位性を打ち出していくか。それには人材の確保がカギになります。とはいえ当社はまだ小さな会社なので、なかなか採用が追い付いていません」

 東京・秋葉原に、仮想デスクトップ環境や周辺ソリューションを体験できるショールーム「VDIイノベーションセンター」を昨年開設し、仮想デスクトップの導入を提案している。「オフィス環境の変革」を目指し、攻勢をかける佐藤氏だ。

 

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