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即日対応の出張修理で業務の停止を阻止。〝パソコン版カーコンビニ倶楽部〟を標榜する--家喜信行 日本PCサービス社長

飛び出せベンチャー

「パソコンのトラブル、電話1本で駆けつけます」――パソコン出張修理サービスが主力で、HEMS、MEMSにも対応。車のトラブルならJAF、パソコンなら日本PCサービスと、社会に根付いた会社を目指している。

「お客さまのトラブル、何でも解決します」が起業のきっかけ

家喜信行・日本PCサービス社長

家喜信行・日本PCサービス社長

 今や日常生活に必須のパソコン。この便利なツールは、一方でトラブルのタネになることもある。停電や引っ越し、あるいは何かソフトを入れたときなどに不具合が出て、自分で対処できない事態になった方も少なくないだろう。そこに目を付けたのが日本PCサービスだ。「パソコンのトラブル、電話1本で駆けつけます」――「パソコン生活応援隊!」と呼ぶ個人向けのパソコン出張サービスが主力。

 家喜(いえき)信行氏は、中小企業向けパッケージソフトの販売会社で、自動車メンテナンスの「カーコンビニ倶楽部」で知られる翼システムの営業マンだった。「お客さまからインターネットに繋ぎたい、ちょっとワードの使い方が分からない、デジカメを教えてほしい、といったような悩み事を相談されたのですが、サポートは自社製品しかやってはいけなかった。お客さまは仕方なく、NECのパソコンならNECに電話するんですが、何か別の専用ソフトが入っていると対象外になってしまう。困ったお客さまをそのままにしておくわけにもいかず、私は自分で対応していました。1回対応すると、次もお願い、とお声が掛かる。結局、トラブル対応が増えていきました」

 1976年兵庫県生まれ。桃山学院大学社会学部を卒業し、翼システムに入社。2年ほどでトップ営業マンとなる。他社製品の相談にも応じる姿勢が評価され、以後3年間トップを譲らなかった。だが、同社経営陣の交代により営業方針に違和感を持つようになり、退社に至る。

 当初は起業するつもりはなかったが、パソコンはトラブルが多く、メーカーに電話しても、らちが明かず、直すのに時間がかかるという問題があることに気付いた。そこで〝パソコン版カーコンビニ倶楽部〟ともいうべき個人向けのパソコン修理業での起業を決意した。

「町の水道屋のように、すぐ修理できないか」と考えた家喜氏。2001年9月に家喜氏の父親が別事業で設立した有限会社マネージメントクリエイティブを、03年9月に家喜氏が代表に就任し株式会社に変更。そこでパソコンの修理事業を開始した。チラシ200万枚を用意し、近隣の家庭に配布するなどしたが、問い合わせは3~4件。当時パソコン修理はメーカーに問い合わせるのが一般的で、ユーザー側に近所の専門業者に頼む発想が無かったためだ。

「このままではアカン」と危機感を強めた家喜氏は、個人に売り込むのではなく、企業経由でサービスを広める方針に転換する。しかし、実績が無く、なかなか相手にされなかった。04年に、水回りやカギ紛失など生活トラブル対応を手掛けるジャパンベストレスキューシステム(JBR)とパソコントラブルサポート統括業務請負を結ぶことができた。06年4月には東芝と業務提携を実現。これらが飛躍のきっかけになる。

HEMS、MEMSにも対応取説のトラブル連絡先に記載

 当初は会社の知名度が無く、認知してもらうのに苦労したが、その損益分岐点を超えるまでの我慢が実を結び、今や売上高は13年8月期が18億円、来期は21億5千万円を見込む。店舗は直営13カ所を含め、全国250拠点となった。参入障壁が低いと思ってこの市場に入ってくる競合は多いそうだが、なかなか追随できるところまで来ないという。

「パソコン総合サービス品質保証書」を掲げており、3つの優れたサービス品質を保証している。内容は、最高の接客を保証(訪問スタッフはすべて正社員、スタッフは身だしなみやマナーを徹底)、最高の電話応対を保証(コールセンターへの電話は原則3コール以内にキャッチ、依頼案件は即日対応が原則)、最高の顧客対応を保証(採用基準は高く、ソフト・ハード共に高い技術力を持つ、高難易度の作業も、顧客に分かりやすい言葉で説明)を永久保証としている。

「お客さまからの技術的なクレームはこの10年間で1~2件。接客教育が何より重要です。お客さまの家庭に入るわけですから。今までに起きたトラブルをすべて事例にし、教訓を積み重ねています」  現在は約300社がパソコントラブルの対応窓口として日本PCサービスを指定。取り扱い説明書に、トラブル解決の連絡先として、日本PCサービスが載っていることも珍しくない。

 10年には定額保証サービスを開始し、法人向けにも力を入れ始めた。11年にはスマートフォンのトラブル対応にも乗り出した。パソコンを中心としたデジタル機器のホームネットワーク総合サポートも実現している。スマートハウスの中核となるHEMS(IT技術を利用して家庭で使用する電力、水道、ガスといったエネルギーの利用状況をパソコンやタブレット端末、スマホなどで「見える化」し、エネルギーの消費量を最適化するための制御を行うシステム)、さらにHEMSのマンション版「MEMS」にも対応している。

 ちなみに同社の対応サポートの方法と料金は4種類。訪問が基本料金5250円、持ち込みが同3150円、宅配同3150円、遠隔は月額525円からとなっている。電話受付時間は9時~21時まで年中無休。

「車のトラブルならJAF、パソコンなら日本PCサービスというように、社会に根付いた会社でありたい」と願う。将来の株式上場も視野に入れ、挑戦を続ける家喜氏だ。

 

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