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「“接客”・“車両”・“店舗”の3大品質で、堅実な成長を目指します」--藤井伸二(ニッポンレンタカーサービス社長)

藤井伸二氏

レンタカー業界において抜群の知名度を誇る「ニッポンレンタカー」。大手3社の一角として着実に業績を伸ばしているが、競争環境は厳しさを増している。さらなる発展に向けた成長戦略とは。(聞き手=本誌編集委員/清水克久)

藤井伸二氏は語る 「3大品質」で勝負するニッポンレンタカー

-- 知名度では群を抜いていますが、御社の特徴は。

藤井 1969年に創業した業界でも最も古い歴史を持つ会社です。そのため、非常に認知度が高く、「レンタカーと言えばニッポンレンタカー」というブランド力もあります。しかし保有する車両台数は、実は業界3位です。お客さまからも「ニッポンレンタカーが業界最大手でしょう」と言われることがあるのですが、本当は3位。高い認知度とブランド力が最大の財産なのですが、そのブランドイメージと現実に、若干のギャップがあります。このギャップをどう克服するかが大きな課題です。

-- 競争が厳しい中で、他社との違いは。

藤井 レンタカーという業態は、ネットワーク型のビジネスだと言えます。全国の空港、新幹線の駅などに営業所を配置して、結ぶのです。また、自動車に対する考え方は近年、変化しており、「使いたいときだけ借りて使う」と所有から使用への意識変革があります。そのせいもあって、業界全体では一昨年に10%、昨年も7〜8%の成長をしています。伸びている業界には新規参入する企業も増えてきます。

 レンタカーという業種は参入障壁が低いため、中古車を数台買ってきて格安でレンタルすることは多くの企業がやっています。しかしながら、当社では、3大品質にこだわっています。まず、新車を投入する、次に接客のクオリティー、3つ目に店舗の品質です。格安業者が増えても、絶対に価格競争に走らず、品質で勝負していきたいと考えています。

-- 個人需要も大きいと思いますが、法人需要の状況はどうでしょうか。

藤井 旅行関連などの個人需要に比較すると、伸び率は目立たないのですが、法人需要も堅調に伸びています。法人も車を所有することからリースに移り、今はレンタルするという流れがあるのです。

-- 最近は「カーシェアリング」も話題になっています。

藤井 カーシェアリングへの需要の流れは確実に出てくると思います。しかし、現状では、カーシェアリングそのもので利益が出ているという話は聞きません。レンタカーに対する脅威となるには、まだまだ時間がかかるでしょう。

 車の使い方を選ぶのはあくまでもお客さまであり、所有、リース、レンタル、シェアと、お客さま自身が自由に選べるようになることが重要だと思います。レンタカーは「必要な時に必要な車を提供し続ける」という点に存在意義があります。そのニーズに当社は応えていきます。

藤井伸二・ニッポンレンタカー社長の戦略 外国人観光客のニーズは高い

-- コスト的には割高になる新車を使う意義は。

新規参入組も多いが、ブランド力では群を抜くニッポンレンタカーの営業所

新規参入組も多いが、ブランド力では群を抜くニッポンレンタカーの営業所

藤井 基本的に2年で車を入れ替え、2年たった車は中古車として売却しています。レンタカー業では、提供する車そのものは基本的にどこも同じです。当社はそこに、きれいで安心できる新車という価値を提供しています。

 店舗の立地も駅前など、競合他社と似たようなところにあるのですが、店舗の清潔さ、クオリティーの高さには自信があります。そして、お客さまへの接客そのものにこだわることで、差別化を図っています。特に接客の品質は一朝一夕で高まるものではありません。日ごろから地道に努力を続けないと維持できません。

-- 現在、店舗数はどのくらいあるのでしょうか。

藤井 現在840店舗ほどを展開しています。これは毎年数店舗ずつ増えている状況です。不採算店舗は閉め、また新たな店舗を出すというスクラップ&ビルドの繰り返しです。

-- 2020年の東京オリンピック招致が成功し、今後は海外からの観光客も増えてくるでしょうね。

藤井 現在でも東京をはじめ日本中の観光地に、海外からの多くの観光客が訪れています。彼らのレンタカーニーズは高いものがあります。当社は海外からの観光客も重要な市場ととらえています。問題なのは言葉の壁ですが、電話による24時間対応の同時通訳事業者と契約しており、うまくコミュニケーションが取れる仕組みになっています。現在は英語、中国語、韓国語それにタイ語の4カ国語に対応しています。

-- 最後に、今後の目標についてお聞かせください。

藤井 レンタカーというビジネスはある意味、ブランドビジネスです。そういった意味で、現在のブランド力を今以上に高めていかなければなりません。歴代の多くの役職員が、長い時間をかけて培ってきたブランド力をさらに高めて次の世代に引き継いでいくことが私の役目でもあります。

 売上高が一気に伸びるような業態でもありません。一歩一歩、地道にやっていきます。そのために3大品質にこだわることが大事なのです。

 

 ニッポンレンタカーサービス社長
藤井伸二(ふじい・しんじ)
1979年慶応義塾大学経済学部卒業。同年、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。2007年トータル保険サービス上席常務執行役員。11年ニッポンレンタカーサービス専務。13年12月より現職。

 

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