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経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

社会インフラ創造企業を目指して変革と挑戦を実行--野崎秀則(ACKグループ社長)

野崎秀則氏

日本で最大級の総合建設コンサルタント企業であるACKグループ。インフラ分野が得意で、現在は復興関連などで旺盛な需要がある。しかし目指すのは受託型ではなく、自ら企画する主導型ビジネスへの脱皮である。(聞き手=本誌編集委員/清水克久)

 

インフラ事業での豊富な実績をもとに海外展開も進めるACKグループ

 

-- まず御社の概要をお聞かせください。

野崎 当社は、1999年にオリエンタルコンサルタンツを中心にグループを形成し、2006年に株式会社ACKグループを持ち株会社としました。国内では交通関連を中心としたインフラ事業において、豊富な実績を持っていると自負しています。

 現在、グループの事業会社は5社ですが、今後もM&Aで強化していく方針です。それもただ増やせば良いのではなく、当グループの総合力を高めていくために、どんな企業と連携すべきかを十分に考える必要がある。

 さまざまなインフラ事業に展開していく分野の広がり、そして調査から始まり、計画、設計、施工、施工管理、運営までワンストップで受注できる総合化、さらに地方、海外という地域の広がり、国内公共、国内民間、海外の3つの市場の連携を強化していくことを考えています。

-- 海外でも積極的な展開をしているのでしょうか。

ボスポラス海峡(トルコ)の地下鉄道工事のプロジェクトに参画した

ボスポラス海峡(トルコ)の地下鉄道工事のプロジェクトに参画した

野崎 直近の売上高が330億円ほどですが、そのほぼ3分の1が海外での受注です。最近話題になったトルコのボスポラス海峡の地下鉄道工事、カタールでの総合開発計画などの大きなプロジェクトを手掛けています。

 これまでインフラというと公共事業がほとんどだったのですが、今後は、海外や民間からの受注に力を入れていきたいと考えています。

-- 中長期的にはどのような目標がありますか。

野崎 13年9月に「ACKG2013」という中期経営計画を策定しました。ここでは、「社会インフラ創造企業〜自らが社会を創造する担い手となる〜」というスローガンを掲げました。そのために「変革」と「挑戦」を実践していきます。

 まず「変革」ということでは、従来から土木・建設の分野は公共事業が主体であることもあって、どうしても事業が受託型、つまりは請負業になってしまいますが、これを主導型に変えていきます。

 例えば最近では、公共事業の入札案件でも、プロポーザル型の入札が増えています。それに対応するために当社が持つ経験とノウハウを持って、強い提案型の事業を展開していきます。

 また、「挑戦」ということでは、自らが投資する事業も始めています。単にインフラを設計し、作るだけではなく、その先の管理・運営も当社の事業として行っています。

 将来的に期待している分野はインフラ保全、防災、交通、再生可能エネルギーやスマートコミュニティの4つの個別事業、それらを統合する、民間開発、海外の新規開拓、地域活性化、事業経営の4つの統合事業からなる8つを重点化事業として力を入れていきます。

 

インフラ計画から完成までワンストップをグループで

 

 -- 挑戦とはどういうことですか。

野崎 一例ですが、太陽光発電事業は既に展開しています。自治体と連携し、公共施設の屋根などをお借りして、当社の事業として太陽光発電事業を行っています。15年ほど経過して、当社が所定の利益を上げることができたら、自治体に発電施設を無償譲渡する予定です。

 また埼玉県上里町では、インフラ保全に関して、ICTを活用した道路維持管理システムの導入、維持管理のマネジメント方法の検討を当社が行い、事業展開しています。これは当社が実証実験として投資しており、上里町から受注しているのではありません。この実績と実験結果をもとに成果が出たら、他の自治体にも売り込んでいく。典型的な主導型ビジネスの基礎です。

-- 傘下の5社で形成されているグループ内の連携は。

野崎 まず、各社の個の力を高めていくことが基本です。各社が業界でオンリーワン、ナンバーワンになること。そうすることで、グループの組織力がより強固になると思います。

 各社の事業を連携させると、インフラの計画から完成後の運営まで、当グループでワンストップで行うことができます。海外市場などでは、インフラをパッケージ化して輸出する取り組みも増えてきます。グループ内だけではなく、異業種との連携も必要になってくるでしょう。

-- 最後に今後の展望をお聞かせください。

野崎 東日本大震災もあり、国土の強靭化は吃緊の課題です。また中央道笹子トンネルの事故などで分かったように、既存インフラの老朽化も大きな課題です。そういった社会資本の整備、維持運営、それを持続的に推進していくことは、経済や地域の活性化に直結するので、社会的なニーズは非常に高まっています。

 それらの社会的な要請に、グループ全体として応えていくことで世界と伍して戦える社会インフラ総合企業になることが大きな目標です。そのためにグループの連携力強化、情報を共有するための仕組みづくり、グループ内の基盤整備に積極的に取り組んでいます。

 

ACKグループ社長
野崎秀則(のざき・ひでのり)
1982年立命館大学理工学部卒業。同年オリエンタルコンサルタンツ入社。2005年取締役執行役員、07年取締役常務役員。09年社長。同年ACKグループ取締役。12年代表取締役副社長。13年12月より現職。

 

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