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割引プランで透けて見える携帯大手の強欲ぶり――総務省

 KDDIが5月31日に、最大で毎月900円分のポイント還元など長期利用者向け優遇制度を発表したことで、腰の重たかった携帯電話大手3社の長期利用者向け割引プランが出揃った。

 総務省の要請を受けて、携帯3社はデータ利用量の少ないライトユーザー向け料金プランや通信料金高止まりの原因となっている過度の販促費投入による実質0円端末の販売是正などを進めてきたが、既存利用者のARPU(契約者当たり月間収入)を押し下げることになる長期利用者向け料金の本格的な割引には各社とも消極的。以前から小規模な割引プランを導入していたNTTドコモや、新たに割引プランを導入したソフトバンクと違い、KDDIはあくまで料金割引を避けて、電子マネー「ウォレット」のポイントで還元する仕組みとした。総務省が昨年秋から是正圧力をかけてきた携帯料金見直しは、高額なキャッシュバック(現金還元)が販売店で再び目立っている現状をみるにつけ、一筋縄では適正化されそうにない。

 KDDIが8月から提供する長期利用者割引は、毎月のデータ使用量が多く、継続利用期間が長くなるほど、KDDIの提供するサービスなどで使える電子マネー「ウォレット」のポイントが多く還元される。4年以上の継続契約と毎月1ギガバイト以上のデータ利用の契約者から同割引の対象となる。

 ソフトバンクの場合は2年契約更新後に毎月500円分のポイント還元か毎月200円の通信料割引を選択できる。今秋から提供を開始する。NTTドコモは4年以上の継続契約と毎月5ギガバイトを家族か個人で利用する契約者から月額100円の割引を受けられる。6月からサービスを開始する。

 各社の長期利用者割引をみるにつけ、月額100円、200円など実に少額である。KDDIの田中孝司社長が「総務省にはそれなりの回答ができた」とドヤ顔をしても、利益還元を本気で考えようとしない携帯各社の腹黒さは総務省幹部も「利益をはき出せる仕組みを作らないといたちごっこが続く」と嘆くほど。18歳以上に参政権が与えられる7月の参院選前に、官邸が第2弾の携帯料金引き下げ策を打ち出すとの観測も信憑性を増している。

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