システムエンジニアの獲得競争が厳しくなっている中、エンジニアとのコミュニケーションを重視して、彼らが最大限に能力を発揮できる環境づくりを目指している会社がある。
「エンジニアのエンジニアによるエンジニアのための企業」を目指して、大手外資系通信企業、大手Slerを経て起業したのがLEC Network Engineeringの紺乃一郎社長だ。企業ネットワークの設計・構築・運用を担うシステムインテグレーターとして、技術者をクライアント先に常駐させるSES事業を中心に、チーム型ファンクションアウトソーシングなどのノウハウを生かして金融ネットワーク構築、さらにはWANに特化したネットワークに強みを持っている。中でも金融分野では銀行支店ネットワークや大型コンビニATMネットワークなどの大規模構築が強く、2万拠点以上の運用経験を持っているのが最大の特徴だ。
プロジェクトマネージャーとして長いキャリアを持つ紺乃社長は、エンジニアが誇りとやりがいを持って働ける会社にしたいという。
「世の中には優秀なエンジニアはたくさんいますが、自分の強みは技術者としての専門性ではなく、複数のステークホルダーのニーズを的確につかんでWIN・WINの関係を作ってプロジェクトの成果を最大化することだと気付いたのです」
システム構築にはそれぞれに技術の違いがあり、役割の違いもあるが、それを理解していないマネージャーも少なくない。
「一人一人の役割の違いやプライドを大事にしないといい仕事はできません。また無駄な事務作業や会議から解放して仕事に集中できる環境づくりも重視しています」
高い技術力と得意領域がある同社では、エンジニア50人体制を早期に達成するのが当面の目標。その準備はすでにできているようだ。