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新たな物流拠点のオープンでより充実したサービスを提供――伊通 旭(イノベーション・ロジスティクス代表取締役社長)

イノベーション・ロジスティクス代表取締役社長 伊通 旭氏

人手不足による運賃値上げなど、揺れる物流業界で、イノベーション・ロジスティクスは受発注業務から発送作業までワンストップで対応する独自のサービスを展開し、ネットショップの運営をサポートしている。

株式会社イノベーション・ロジスティクス代表取締役社長 伊通 旭(いつう・あきら)

株式会社イノベーション・ロジスティクス代表取締役社長 伊通 旭(いつう・あきら)

年々拡大するEC市場で、ネットショップの物流面を支えるイノベーション・ロジスティクスは、他社にない独自の取り組みで取り扱い量を増やし続けている。現在、首都圏で運営する10カ所の物流センターはいずれもフル稼働状態で、今年2月には関西方面では初となる新たな物流拠点を奈良県にオープンする。そのきっかけとなったのは、昨年話題になった2つのニュースだ。

「一つは、通販大手であるアスクルの物流倉庫で発生した火災です。あれだけの火災にもかかわらずサービス自体は継続されているというニュースを耳にし、首都圏で大地震などが発生した際のリスクヘッジとして拠点を分散する必要性を痛感しました」と同社の伊通旭社長は語る。そしてもう一つの理由が、大手運送業者による運賃の値上げだ。これまで以上に距離による運賃の上昇がシビアになることから、西日本方面への送料コストを少しでも軽減するという側面もあるという。

この拠点分散は、同社に多くのメリットをもたらしそうだ。

「これまで配送に中一日かかっていた九州地区でも翌日配送が可能になります。また、地方のネットショップが全国に商品を発送する時の拠点としてご活用いただけるのでは、と期待しています」

関東、関西の両拠点を横断する在庫管理やサービス窓口の一本化など、ネットショップ側の利便性も大いに向上しそうだ。

そんな同社のポリシーは、大手の業者に負けないサービスをより安価で提供することだ。そのため、オペレーション全体で積極的なコスト削減に取り組んでいる。例えば、昨年稼働がスタートした新倉庫「野田台町センター」には自動梱包ラインを新設。一気に大幅な省力化が実現した。また、最大の特徴といえる自社開発の受注システムにも磨きをかけ、蓄積したノウハウを生かしながら顧客にとって最もローコストかつ効率的な提案を行っている。

今後は、大手美容品ディーラーとの協業で美容サロンの会員に向けた独自商品のECなども手掛けていく。

「今年はまず、関西の新拠点を軌道に乗せながら、倉庫内のさらなる自動化に取り組みます。AI技術の導入検討なども含めてさまざまなトライを繰り返す一年になりますが、これを踏まえて来年以降は新たな物流センターの開設をはじめ、より一層の成長を目指しています」と語る伊通社長。今後も物流業界の動向を先読みしながら、サービスの拡充に取り組んでいく。

株式会社イノベーション・ロジスティクス

  • 設立/2011年11月
  • 資本金/600万円
  • 従業員数/12人
  • 事業内容/EC通販物流代行サービス、EC受注代行サービス、ECフルフィルメントサービス
  • 所在地/千葉県野田市
  • 会社ホームページ/https://www.ec-innovation.com

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