経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

顧客満足度を追求した意欲的な介護施設が人事評価制度導入でさらに進化―リハビリホーム一歩

山元浩二氏

今回紹介するのは、埼玉県上尾市で複数の介護施設を運営している株式会社リハビリホーム一歩。「歳を取ろうが、身体が不自由になろうが、生涯現役!イキイキ生活を目指そう!!」をモットーに、家庭(ホーム)のような施設作りを目指したデイサービスの他、デイサービスと保育園が併設されお年寄りと子どもが触れ合える施設、身体が不自由な方や認知症の方でもお弁当づくりの仕事に挑戦できる施設など、常に新しい発想で事業を展開中。その利用者の満足度を追及した取り組みは、地域や業界で話題となりNHKFMなどでも取材されている。

人事評価制度の導入から運用には、1年かかる?!でも「まずはやってみよう!」

 会社では「呑みニケーション」などを通じて、スタッフとのコミュニケーションがとれており、モチベーションもカバーすることができていたので、雰囲気は悪くない状況と阿部裕一社長は把握していた。

 ただ、事業所が増え、規模も拡大していた中、会社の将来を考えると「何かが足りない」と感じていた。そんな時に、書籍をきっかけに「人事評価制度」の必要性に気が付き、導入を決意。全容が少しずつ見えてきた中、一番驚いたのが「導入~運用に1年かかる!」ということだった。

 1年目:導入、2年目:運用強化、3年目:成果という流れを知り、そこまで長期的に継続できるか?という不安があったが、

 「自分が求めていた、経営計画と人事評価制度を連動し、職員の育成が目的の仕組みが他社にあるのか?と考えたときに、まずはやってみよう!という決断となった」

 と、語る。

阿部裕一・リハビリホーム一歩社長

阿部裕一・リハビリホーム一歩社長

人事評価制度の運用・改善で組織が徐々にステップアップ

 社長本人も、当初は人事評価制度の詳細部分まで把握していなかったため、よくわからないまま、評価シートを記入するだけの状態だったり、繁忙期と重なって評価時期を変更してしまったりしたこともあった。

 一方で「評価をする」ということ自体を前向きに捉えることが中々できない職員もいることが、納得度アンケートの結果から明確に見えてきたため、時間をとって継続的にコミュニケーションを取りながら、少しずつそのギャップを埋める努力を継続してきた。

 また、評価制度運用のプロセスである、上司同士が評価のすり合わせをおこなう育成会議が、様々な課題の共有と改善のきっかけになっている。

 プロジェクトスタート後に、残念ながら、退職者が出てしまうケースもあったが、組織が前向きに成長するための過程であると捉え、最近では、制度運用のためのプロジェクト会議に、役員だけでなくリーダークラスの社員にも参画してもらい、現場の意見を吸い上げながら進めているという。

 リハビリホーム一歩・阿部社長

高齢者と園児達が一緒に過ごすデイサービスと保育園での意欲的な取り組み

 リハビリホーム一歩の意欲的な事業サービスのひとつとして、『みんないっしょの一歩&いっぽ』という名称で、デイサービス&保育園(多世代交流型施設)に取り組んでいる。こちらは、上尾市の認可事業としてワンフロアの中でデイサービスと保育園を一緒に行うサービスである。

 フロアは引き戸で仕切って部屋を分けることもできるが、普段はなるべく行き来ができるようにしている。規模は子供が0歳~2歳で定員は12名、高齢者は80歳前後で約30名ぐらいである。

 子供が活動している姿を見ているだけで高齢者が笑顔になるようなアットホームな雰囲気づくりができており、子どもと高齢者が一緒に遠足や運動会などに参加するイベントを行うなど、高齢者にも子供たちにも楽しんでもらっているようだ。

 感動的な話としては、すでに90歳を超えている認知症の利用者が、以前保育園でピアノを弾かれていたことがわかり、子供たちに頼まれて、一緒にピアノを弾いて歌うことができたというエピソードもある。

リハビリホーム一歩・社内イベント

経営計画発表会の様子

さらに成長スピードをあげ、魅力ある会社へ

 会社の業績は、非常に良い状態で向上しているが、業績が伸びていく一方で、職員は本当の意味で、ワクワクいきいきと働き甲斐をもって、前向きになれているのか?と阿部社長は感じている。

 評価制度の運用の流れは、今後に向けて、

①現場のリーダーを巻き込みながら更なる評価制度の改善

②現場のリーダーを巻き込みながらのアクションプラン運用の徹底

③給与制度とキャリアパスの更なる明確化

 が必要だと考え、プロジェクトにリーダーを巻き込みながら推進することで、職場環境の改善や、スタッフのモチベーションのアップにつなげていけるようにしているという。

 次のステージに向けて、一歩ずつステップアップ!阿部社長の挑戦は続く。

山元浩二氏(やまもと・こうじ)経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度R」を250社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、“94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。著書に『3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』(あさ出版)、「小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)「小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方」(日本実業出版社)などがある。発行累計10万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。

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