顧客のニーズを満たすワンストップの総合物流サービスを提供するカーレントサービス。独自の「オーダーメイドロジスティクス」の構築により事業を運送領域周辺にも広げる。顧客のニーズを満たす試みが他社との差別化につながる強みとなっている。(『経済界』2020年4月号より転載)
カーレントサービスは、「顧客の依頼を断らないことで、顧客満足を最大化する」ことを企業理念に掲げている。運送に特化した一般的な貨物運送事業者とは異なり、顧客の多様な物流ニーズに合わせて、複数の事業領域を自由自在に組み合わせたオーダーメイドのサービスをワンストップで提供する。顧客は複数の業者に依頼するよりも、手間の省力化やコストダウンが可能となる。
同社は運送業のほか、一般建設業、産業廃棄物収集運搬業などの免許を保有しており、機械解体や組み立て、設置、さらには内装施工も対応する。この事業領域の拡充に努めており、これが他社にはまねできない「オーダーメイドロジスティクス」を構築している。この源泉が企業理念の「断らない」にあるのだ。
「運送領域以外の事業もカバーし、それを専門人材や設備を使って付加価値のあるサービスとして提供できるのが当社の強み。『オーダーメイドロジスティクス』の構築により、顧客のニーズに応える包括的なソリューションサービスを提供できるようになりました。カバー領域が広がるにつれ、受注件数も増えています」
同社では成長戦略として、M&Aによる専門人材の増強や新たなITシステム開発などに力を入れている。例えば、モノの仕分けから行き先、過去の荷物などのデータを収集・管理し、入庫から出庫までのスピードや作業の正確性を上げる「倉庫管理システム」の開発などだ。
「現在は関東8拠点、社員数約160人、保有車両約90台という規模で事業展開しています。まずは日本全国に迅速にサービス提供できる体制を整えるため、『国内20拠点、社員数200人、トラック200台』を目指します」
さらにこの目標の達成後は、東南アジアを中心に海外展開を見据える。
「当社のカバー領域がいくら広いといっても、海外でイチから事業を立ち上げるのは時間も労力もかかります。そこで現地法人のM&A、『オーダーメイドロジスティクス』に加えて、日本国内で開発した『システム』の導入も積極的に活用していきたい。将来は海外で日系企業と言えばカーレントサービスと評価されるだけの実力を付けていきます」
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会社概要
設立 1972年5月
資本金 2,700万円
所在地 東京都大田区
従業員数 160人(グループ合計)
事業内容 総合物流サービス、重量物・設備・什器取り扱いサービス、
廃棄処理サービス、国際物流支援サービス
http://www.current-service.co.jp/
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