新型コロナウイルス感染症の影響で業績が悪化する企業が増加し、従業員の解雇や雇い止め、新卒者の内定取り消しも相次いでいる。そのような環境でもエス・ケイ通信は業績を伸ばし、積極的な採用活動を展開している。それを可能とするのが企業理念である「大家族主義」。社員を変える環境があることが大きな成果につながっている。
後発だったからこそ企業として成長できた
エス・ケイ通信はウェブマーケティング事業、O2O事業、モバイルソリューション事業を3本柱として展開している。具体的なサービスを挙げると、ウェブサイトやランディングページの作成、CMSの開発などがある。
設立は2000年。廣瀨勝司氏1人でのスタートだった。それが今では売り上げ100億円を超え、従業員230人を抱えるまでに成長した。
転機は設立8年目ごろ。「それまでの少人数精鋭の体制から組織を拡大する方向に舵を切ったことが大きい」と廣瀨氏は語る。
拡大に当たり、ウェブ業界へと進路変更した。「われわれはウェブの世界では後発でした。しかし後発だったからこそ、『これは良くない。こうした方がうまく行く』というのが分かったんです」と言う。
「こうすればうまく行く」と考えた一つに営業方法がある。他社は1カ月に2件の契約で良しとしていた。ウェブの知識が乏しい企業に、高額で吹っ掛ければその受注数でも利益が出るからだ。しかしそのような暴利をいつまでも維持できるわけがない。ならば適正価格で1日2件の行動数を目指すことで、結果、1カ月に平均5件の契約が生まれる。それがライバルに勝てる戦略と考えた。
圧倒的な量をこなすことでナレッジが蓄積される
1日2件の行動数を目指すのは、大手企業だけでなく、中小企業もターゲットとするからだ。対象も建築業や飲食業、美容業界、医療業界と多岐にわたる。実はこれにより営業マンにメリットが生じる。場数を踏むことで業種の課題も理解できるようになる。また、ある業種の成功事例を他業種に当てはめて提案するなどの応用も可能となる。圧倒的な量をこなすことで営業のナレッジが蓄積され、成長も早くなる。
もちろん、1日2件の行動数はハードだ。廣瀨氏も「決して楽な会社ではありません。心が折れて辞めてしまう社員もいます。しかし、それを乗り越えた社員はとても強くなります」と隠すでもなく笑う。
「弊社は企業理念として『大家族主義』を掲げています。営業の厳しさは管理部門や制作部門も理解している。だからバックアップは積極的に行います。それに、『もっと会社を良くしたい』『働く環境を良くしたい』と考えてくれる社員が多い。そんな仲間意識の強さが弊社の特徴です」
人材教育にも力を入れている。単なる営業指導だけでなく、人生の悩みまでサポートする。社員の平均年齢が28歳と若いので悩みも共感し合える。
成長した人間が昇進し、さらにサポートできるスパイラルを築く。それが「大家族主義」だという。
また、中小企業をターゲットとするのには訳がある。
「中小企業は大手企業の資本力に勝つことができません。しかし、ITをうまく活用すれば逆転できるかもしれない。ITで中小企業が業績を伸ばしてほしいという思いがあります」
中小企業を活性化させることができるエス・ケイ通信の力。しかし、問題は営業人員が不足していることだ。リソースが少ないため訪問展開も限られてしまう。人員を強化すればこれまで未着手の業種も支援できるようになる。
人は環境で変わる 会社でさらなる高みを目指せ
「現在の子会社はエス・ケイ通信の事業部長たちが社長を務めていますが、10年後、20年後には子会社として完全に自立させたい」
子会社を独立企業とし、各企業の内部に人事などの各部門を置く。
「子会社の役員になりたいという社員はもちろん、子会社を起業したい、支店を立ち上げたい、といった意欲のある社員も出てくると会社は強くなります」
さらなる未来に進むため、社員が上を目指せるよう、経営の視点を身に付けさせる教育も行っている。そうして成長した優秀な人材を、新しいポストにどんどん就ける。そのため、若くして役員や取締役になれるチャンスがあるという。
「弊社では、どんな人間でも変わることができます。人は環境で変われるものです」と強く語る。
会社概要 設立 2000年9月27日 資本金 3,000万円 売上高 117億円 所在地 東京都新宿区 従業員数 230人 事業内容 ウェブマーケティング事業、O2O事業、モバイルソリューション事業 https://sk-t.com/ |
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