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リアルとデジタルの融合で安心できるリユース市場の形成と拡大を目指す―コメ兵

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シェアリングエコノミーの中核、リユースは一大市場に成長したが、まだその言葉もなかった頃から市場をけん引し続けてきたのが愛知県名古屋市に本社を置くコメ兵だ。関東・関西ほか全国に店舗を拡大し、最近ではAI鑑定の導入も話題を呼んでいる。

コメ兵社長 石原卓児
コメ兵社長 石原卓児(いしはら・たくじ)

 宝飾品、バッグなどの中古ブランド品を中心に買取・販売を行うコメ兵。中古のイメージを払拭する雰囲気や立地に加え、豊富な知識と品揃えを強みとする。「長く使える良いものを次の方へつなぐのがビジネスの根幹。これをリレーユースと表現しています」と語る石原卓児社長。

 昨今の外出自粛やインバウンド減少の影響はあるものの、ネット販売や宅配買取は好調だ。今年5月の宅配買取は前年同月比1・3倍で過去最高。生活圏に出向く「買取イベント」も新規利用者が6割を超える。

 フリマアプリ「KANTE」などの事業にも力を入れており、リアルとデジタルの融合を強化する「OMOプロジェクト」を4月に発足。コンタクトセンターも拡充し、ECサイトもユーザビリティを重視し刷新した。顧客をオンライン会員へと集約する方針から、登録をSMS認証で簡素化。店舗ではECサイトを活用して在庫を全店共有し、非接触での買取ニーズに応えるビデオ査定も推進している。

 8月にはブランド品鑑定のAIを名古屋本店で導入。現在は1ブランドだが、全国展開する計画だ。細部を撮影すると数分で真贋を99%の精度で見極め、型番も判定する。精度を高めるには膨大なデータが必要だが、県内の「商品センター」には全国からメンテナンスや検品のため年間160万点の品物が集まる。この環境が生かされている。

 「導入目的の一つは世に出回る偽物の排除。安心できるリユース市場の形成は私たちの使命です。もう一つは鑑定士の負担の軽減。きめ細やかな顧客対応が可能になります」

 目利きの「匠」の存在も正確なデータをインプットできる理由だ。ただし「熟練になるには10年かかる」ため、ここにAIを導入した。

 コメ兵は香港のグループ会社を通じて各国とBtoB取引を行っており、昨年タイ・バンコクに小売店を出店。現在2店目を準備中で、さらなる海外展開も視野に入れている。

 「リユースは国内外で伸びしろが大きい分野」と展望し、攻めの姿勢を崩さない。10月より持ち株会社のコメ兵ホールディングスに移行。目指すのはリユース市場の拡大によるサステナブルな社会貢献だ。

会社概要
設立 1979年5月
資本金 18億378万円
売上高 575億1,000万円(2020年3月期)
所在地 愛知県名古屋市中区
従業員数 535人(2020年3月期)
事業内容 中古品および新品の宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、着物、カメラ、楽器などの仕入・販売および不動産賃貸
https://www.komehyo.co.jp/