経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

オリジナル家具のネット通販が好調 良質な日本製品を海外へ―ベガコーポレーション

日本最大級の家具通販サイトで業界の注目を集めるベガコーポレーション。コロナ禍でインバウンド需要が落ち込む中、良質な日本の製品を海外に届ける越境ECに取り組んでいる。

ベガコーポレーション社長 浮城智和(うきしろ・ともかず)

多様化する顧客ニーズと技術の進歩に柔軟に対応

── 家具通販サイト「LOWYA」の特徴と製造体制は?

浮城 わが社のEC事業はDtoC(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)が特徴です。自社で製品のデザイン企画を行い、国内外の工場に委託し、自社通販サイト「LOWYA」で直販しています。マーケティングや在庫管理、オペレーティングも自社で行っています。

 提携工場(家具製造メーカー)は約100社で、うち3割を中国、ベトナム、インドネシア、トルコ、ポーランドなどの海外工場が占めます。各工場で得意な分野や調達できる資材(木材)が異なるため、製品ごとに製造できるところに発注しています。

── コロナ禍でも業績が好調ですね。

浮城 ありがとうございます。2020年3月期は売り上げ135億円、営業利益は過去最高の1億円で、来期は売り上げ180億円、利益17億円を見込んでいます。コロナ禍でリモートワークしやすい快適なイスや机の買い替え需要が高まり、また多少高くても良質な家具でプライベート時間を過ごしたいと希望される方が多かったです。

── スタートは小規模な所帯だったそうですね。

浮城 現在、従業員は222人ですが、04年に事業を始めたときは6畳ひと間のアパートに友人と2人だけでした。電話付きファクスとパソコンを使って注文を取り販売するという卸しと小売りを行う最低限の人員でした。しかし、大手メーカーなどには価格で太刀打ちできませんから、お客さまの要望をしっかりと聞きながら独自の製品を提案し、販売を始めることにしました。

 中国では提携工場を求めて、砂ぼこりまみれになりながら企業にたどり着きましたが、期待した品質を確保できなかったこともあります。試行錯誤を重ねてインターネットを駆使して顧客のニーズを製品に反映させ、低価格で販売する現在のスタイルに至りました。

── 時代を先取りしたやり方が成功の秘訣でしょうか。

浮城 今となってはそう映るかもしれませんが、顧客ニーズと技術の進歩に合わせて柔軟に対応してきただけとも言えます。「お客さま、本物をお見せできずすみません」というのが本音です(笑)。だから1つの家具でも画像を何枚も使って細部まで提示し、文書で説明したりします。もちろんイメージ重視の方もいるでしょうが、家具は安心して買いたいという気持ちにできる限り応えたい。

 大規模店舗で数多くの品揃えで販売するというやり方とは真逆ですが、その分、低価格にできます。

── 通販サイトは最新の技術を取り入れているそうですね。

浮城 AR(拡張現実)、VR(仮想現実)などを実装しています。これらの技術は家具ECと相性がいいと思います。例えば、部屋やオフィスにこの大きさや数の家具がどう置けるか、どんな雰囲気になるかといったシミュレーションが可能です。このAR機能は、iPhoneからも利用できます。

ECサイト「LOWYA」ではハイビジョンARを実装。使い勝手の良さが好評

日本の良質な製品を海外へ なくてはならない存在に

── 今後の海外戦略についてはいかがですか?

浮城 越境EC「DOKODEMO(ドコデモ)」戦略をさらに強化します。現在、英語、中国語(2種類)、韓国語に対応しています。ここでは「LOWYA」の家具やインテリアは扱わず、他社の付加価値の高い化粧品や雑貨が中心です。製品を選別することで、どんなものでも販売するAmazonや楽天と差別化を図っています。知名度は確実に上がっており、月間1億円前後の売り上げがあります。

── 競合との差別化はどう図っていくのでしょうか?

浮城 日本の良質な製品を世界に提供できるサイトはそう多くありません。コロナ禍以前、国内のドラッグストアなどには中国や韓国などのインバウンド客が多く訪れ、購買意欲に溢れていました。「DOKODEMO」でこの熱気を演出したい。

 海外のお客さまに信頼できる日本の製品を選んでもらい直送する流通システムを構築します。国内製造業の皆さまから、「なくてはならない存在」として必要とされる企業を目指したいですね。    

会社概要
設立 2004年7月
資本金 8億8,240万円
売上高 135億7,000万円
所在地 福岡県福岡市博多区
従業員数 222人
事業内容 家具・インテリア等のインターネット通信販売事業、越境ECプラットフォームの運営等
https://www.vega-c.com/