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損傷を自動修復するコンクリート量産技術を確立し脱炭素社会に貢献する―會澤高圧コンクリート

最先端技術の導入や異業種との協業の積極的な推進により、業界の常識を次々と打ち破ってきた會澤高圧コンクリート。2021年からはバイオテクノロジーを活用した自己治癒コンクリート材の量産を開始。脱炭素社会の実現に向けた1歩を踏み出す。

會澤高圧コンクリート社長 會澤祥弘(あいざわ・よしひろ)

 形あるものはいつか壊れる――その常識を覆し、コンクリートを事実上の永久構造物に変えようとしているのが會澤高圧コンクリートだ。同社は蘭デルフト工科大学と2年半に及ぶ共同研究の結果、コンクリートの自己治癒化材料の量産技術を確立。「Basilisk」の商標で、札幌市内に新設した製造プラントにて生産を開始した。

 自己治癒化とはつまり、ひび割れなどに代表される損傷を、コンクリート自体が自動的に修復する機能のこと。その仕組みは、アルカリ耐性の強いバクテリアとその餌となるポリ乳酸をコンクリートの製造時に配合、ひび割れが生じた際に餌を食べたバクテリアが排出する炭酸カルシウムによって、損傷した箇所を自動的に埋めていくというものだ。

 この技術自体は以前から確立していたものの、壁となっていたのは量産の難しさだ。当初はバクテリアを守るためカプセルに閉じ込めた状態でコンクリートに混ぜていたが、ポリ乳酸が過剰に分解されて白い斑点がコンクリート表面に浮かんでしまう、さらに製造工程が複雑でコスト高となってしまうため大量生産が難しいという問題もあった。

 ポイントはいかにバクテリアの生存率を高めながら、餌となるポリ乳酸の中に均等に分散させるかにある。そこで、密閉減圧したミキサーの中でポリ乳酸とバクテリアを高速でかくはんする装置を独MIXACO社と共同開発。カプセルを使わずにバクテリアの生存率を高めながら、均等に分散させることに成功し、量産化にこぎ着けた。新プラントは年間70万立方メートル相当のコンクリートを自己治癒化できる能力を有するという。

 商品が壊れなければ、買い替え需要が発生しないという懸念は当然ある。しかし、それでも量産化に踏み切ったのは、脱炭素社会への貢献に対する會澤祥弘社長の長年の信念ゆえだ。

 「コンクリートに使用するセメントの製造によって大量のCO2が大気中に排出される。コンクリートの自己治癒化とは、つくっては壊しを繰り返す20世紀モデルとの決別を意味する。脱炭素を進めることは、すべての産業の課題」と語る。

会社概要
設立 1963年10月
資本金 6,390万円
売上高 187億円
所在地 北海道苫小牧市
従業員数 603人
事業内容 コンクリート製品の開発・製造・販売
https://www.aizawa-group.co.jp

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