経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

全米で話題の「斧投げ」の魅力と日本市場での勝ち筋とは

人間誰しも「やってはいけないことをしてみたい」気持ちがあるだろう。そんな根本的な欲求をくすぐる「やってはいけないことを、より楽しく、よりFUNNYに!!」をコンセプトにした新感覚アミューズメント施設が日本に初上陸した。今回は全米で人気急上昇中の斧投げバーに焦点を当て、株式会社BrickWall代表取締役の河東氏に、日本初上陸に至った背景とその魅力について話を聞いた。(聞き手=金 二美香・Hackjpn〉

河東誠氏プロフィール

株式会社BrickWall 代表取締役。1994年生まれ。大学卒業後、インターネット広告を扱う企業に入社。2019年1月に株式会社Brick Wallを友人3人とともに立ち上げる。「ワクワクで、人類をつなぐ。」をMISSIONに掲げ、「やってはいけないことを、より楽しく、よりFUNNYに!!」をコンセプトにした新感覚アミューズメント施設REEAST ROOMと、アメリカで流行中の斧投げバーTHE AXE THROWING BARを運営。

斧投げバー日本初上陸の背景にある3つの意思決定とは

―― アメリカで話題の「アックススローイング(斧投げ)を日本初上陸されていますが、日本展開の決め手は何だったのでしょうか?

河東 弊社が意思決定する時は大きく3つのことを大切にしています。1つ目にタイミングの観点、2つ目に顧客ニーズの有無、そして3つ目はコーポレートフィロソフィー(経営理念)との整合性です。

この3つが重なり合う領域であるかどうかを慎重に見極めています。

それを踏まえた上でアックススローイングを考えると、タイミングの軸ではアメリカでここ2, 3年で急激に伸びていたんです。実際に協会も設立されていたり、店舗数も500店舗まで急激に伸びていたりしていました。また、アメリカのスポーツ専門チャンネル「ESPN」でも放送され始めており、海外で伸びていると感じました。一方、日本ではまだ0店舗の状況だったので、「これは十分に挑戦する価値がある絶好のタイミングだ」と思いました。

そして実際にスケールさせていこうと思った理由としては、顧客ニーズの有無の部分です。

アックススローイングバーを始めて顧客の反応を見ていくと、リピート率が非常に高いことが分かったんです。また、大会の参加者を募集してみると、すぐに応募が埋まりました。こうして直接お客さんと関わっていく中で、ニーズが非常にあると感じました。

そして、コーポレートフィロソフィーとの整合性については、まず弊社の理念として「ワクワクで、人類を繋ぐ。」というミッションを掲げており、要は人間が後天的に持っている価値観ではなく、先天的に持っている根源的な欲求を刺激して人類をつないでいきたい。という想いがあります。

その手段としてスポーツというのは非常に有効な手段だと思っていまして、例えばサッカーがボール1つで他人同士がコミュニケーションを取れるように、アックススローイングも異なるバックグラウンドを持つ人々同士を繋げる力があると思っています。

このようにアックススローイングはスポーツとしての価値が非常に高かったので、われわれの「ワクワクで、人類を繋ぐ。」という理念と整合性がありました。最終的に「タイミング」「顧客ニーズの有無」そして「コーポレートフィロソフィーとの整合性」、この3つが揃ったため日本展開へと至りました。

斧投げバーの日本市場での勝ち筋とは

―― アメリカから日本へ斧投げを導入された際に、カルチャライズは意識されたのでしょうか?

河東 カルチャライズや国民性の違いは一切考えていないですね。現代はこれだけ価値観が多様化していて、日本やアメリカなど国単位の大きなくくりでユーザーを捉えると、サービス設計を間違えてしまうと思います。

FacebookやTwitterが日本に上陸した際も、日本の国民性にこれは合うのか合わないのかという議論がされていましたが、結局どちらのアプリも国内で広く浸透していますし、カルチャライズという次元ではないと思います。

よく斧投げは国民性に合うのかといったご質問を頂くのですが、そういった基点で考えるよりは、まずわれわれが提供したいターゲット、つまり「人基点」で考える必要があると思います。

弊社は物を壊すサービスもやっているのですが、それも全部当てはまります。とにかく人基点。「根源的に人間が持っている欲求はなんなのか」という本質的な所を考えています。

―― ターゲット層は具体的に設計されているのですか?

河東 ターゲット層はまず大きく2つに分けると、レジャー利用、(エンタメ利用)か、スポーツ利用に区分します。そこでそれぞれ持っている課題感というのは大きく違うと思っていまして、レジャー利用は斧を投げるという非日常感を求めている層ですね。

例えば海外の映画で斧投げを見たことがあるとか、そもそも斧は日本ではあまり馴染みがないので、斧を投げる行為そのものに価値を感じている人々。一方、最初はエンタメ利用で利用したのち、斧投げをスポーツとして価値転換を図るスポーツ利用層の2つをターゲット層として考えています。この2つの層の課題を解決できるように、サービスを設計しています。

斧投げバーのこだわりポイント

―― アックススローイングバーのこだわりポイントはありますか?

河東 こだわりポイントは2つの価値を共存させている部分です。1つは斧投げという行為が持つ非日常という価値と、2つ目は得点を競って遊ぶことができるスポーツとしての価値。この2つをしっかり表現し、お客様に提供していくことを非常に大切にしています。

具体的には非日常として楽しんで頂くため、そしてスポーツとして楽しんで頂くためにはまず、大前提として安全に楽しんで頂く必要があるので、そうした空間作りをしています。日本だからというわけではなく、アメリカでもそうです。安全でなければ非日常であったとしても嫌だと思われますから。

また、非日常としての価値を感じてもらうためにアーティストさんに絵を描いてもらい、内装の空間を演出したり、斧の種類を増やしていったり、手裏剣やナイフも投げられるなどエンタメ要素も付加しています。

スポーツとしての価値を伝えるという点では、斧投げスタッフの育成、大会開催や協会の設立を行っています。

――「テクノロジーでは代替できない価値」の魅力とは何でしょうか

河東 そうですね、テクノロジーの進化によって日常生活はかなり効率化されて、本当に素晴らしいと思っていますし、効率化できることは効率化するべきだと私も考えています。ただ効率的ではないものでも価値はあると思うんですよね。そこがリアルのコミュニケーションであり、われわれが注力していきたい部分です。

テクノロジーの進化やコロナ渦でトレンドになっている巣ごもり消費では需要が満たせない領域はまだまだあるので、そこを踏まえた上で斧投げという新しい領域にしっかりアプローチしていきたいと考えています。

―― 今後斧投げバーをどのように盛り上げていきたいと考えていますか?

河東 夏季オリンピック競技にしていきたいと思っています。それが最終的なビジョンとしてあり、国内展開とともにアジアへも展開もし、より斧投げを普及させて世界的な競技にしていきたいです。そのために協会の設立やフランチャイズ展開も考えております。 

独占してナンバーワン企業になっていきたいという夢ももちろんあるのですが、プレイヤーをなるべく増やしていき、弊社がインフラの役割を担うことで、プレイヤーが増えれば増えるほどわれわれの収益が伸びていくと構造にしたいと思っています。

やはりリアルで体験するエンタメサービスは、実際にご体験いただかないと本当の良さは伝わらないと思うので、是非足を運んで頂き、斧投げの魅力を感じていただきたいと思っております。店舗ではスタッフが丁寧にやり方や安全に楽しむ方法を伝授しますので、御来店頂ければ幸いです。

ここ数年、斧投げバーはアメリカやカナダなど欧米を中心に人気を集めている。実際にアメリカの店舗数は500に上ると言われている。そんな中、待望の日本初店舗となったのが株式会社BrickWallが運営するThe Axe Throwing Barである。

今回筆者も実際に斧投げをチームで体験しに行ったが、予想を遥かに超える「ワクワク」が詰まった世界だった。お店に一歩足を踏み入れると部屋一面にカラフルでポップなアートが広がっており、その世界観にも魅了された。
施設では斧を投げるという非日常をリアルに体験でき、スポーツとしての楽しさもあり、コロナ禍のストレスを発散できる最高のアクティビティであった。

また、斧投げ以外にも物が壊せる【BREAK ROOM】、壁いっぱいに自由に落書きができる【FREE ART WALL】、そして暗闇で物が壊せる【NEON SMASH】を一つの施設で体験することができる。

未体験のワクワクがそこにあった。