病院で使われる電子カルテや医療事務、健康診断などのシステムを構築・導入しているエム・オー・エム・テクノロジー。情報の共有化がなかなか進まない日本の医療分野の課題を解決するため、特に重視しているのがコミュニケーション力だという。
1964年に三菱商事が設立したシステム会社としてスタート。2001年に医療関連の専門性をより生かす会社として三菱商事、富士通の支援を受けて独立したエム・オー・エム・テクノロジー。
「日本の医療の課題を解決するには、システムによる情報の共有化が急務です」と平山光彦社長は話す。
日本は少子高齢化、医療費の高騰、医師・看護師不足、医療技術の安全性の確保といった課題を抱えている。そのためにも、電子カルテの導入が進められているが、実際に導入できている病院は全体の半数にも満たないという。
「どの病院でも、電子カルテによって患者さんの情報を共有して見ることができるようになれば、医療資源の有効活用ができ、医療事故防止や効率化にもつながり、病院も患者さんも負担が少なくなります」
エム・オー・エム・テクノロジーでは、富士通の電子カルテシステムの導入を支援しているが、精神科病院向けの電子カルテシステムを独自開発したことでも注目されている。
「精神科のカルテは記載内容が多く、一般的な電子カルテでは対応できないことに気付きました。そこで自社開発を行い、現在は多くの病院で導入していただいております。医療システムの普及は社会貢献にもつながると信じており、やりがいを持って働くことができます」
システム導入というと、ITスキルを持った人材が重視されそうだが、最も必要なのはコミュニケーション力だという。
「顧客の話をじっくり聞いて、課題を解決する力が第一に求められます。ITスキルは後から身に付けられるので、採用ではコミュニケーション力による課題解決力を重視しています」
同社では社員が仕事に満足できる体制をつくるため、厳しいコロナ禍であえて月給をベースアップした。
「テレワークで残業が減り、給料が下がるケースが予想されました。そこであえて月給をアップし、ボーナスも維持することで、社員にモチベーションを保って働いてもらえる環境を用意しました」
人と情報と技術を駆使した医療システムへの挑戦は今後も続く。
会社概要 設立 2001年3月 資本金 5,000万円 売上高 41億円 所在地 東京都千代田区 従業員数 89人 事業内容 医療関連情報システム構築、システム・コンサルティング・サービス、システム・インテグレーション・サービスなど https://www.momt.co.jp/ |
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