経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

ビジネスとスポーツを多面的に融合して即戦力となる人材育成を―学校法人梅村学園

学校法人梅村学園総長・理事長 梅村清英


10学部と9研究科からなる総合大学・中京大学と、その附属校・中京大学附属中京高等学校を抱える梅村学園。2023年に創立100周年を、24年には中京大学開学70周年を迎える。4代目を担う梅村清英理事長にこれまでの変遷と今後の展望を聞いた。

学校法人梅村学園総長・理事長 梅村清英
学校法人梅村学園総長・理事長 梅村清英(うめむら・きよひで)


 1923(大正12)年に中京商業学校として開学した梅村学園。建学の精神として「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」を掲げ、名だたるスポーツ選手を多数輩出している。「体育学部の印象が強い中京大学ですが、ベースは商科大学です。スポーツの世界は実社会の縮図でもあるため、社会で即戦力になるための人材育成教育の一環として全学的に推奨しています」と梅村理事長。

 加えて、「スポーツは競技者以外にもさまざまな役割があり、事業運営や企画管理、プロモーションなどビジネス分野での裾野も広い」と語る。2021年からはスポーツ科学部にスポーツマネジメント学科、トレーナー学科を増設し、学部の定員も490人から740人へと大幅に増員した。

 コロナ禍では、オンラインと対面のハイブリッド型授業に移行したが、基本的には対面ベースで行う。開設直後にコロナ禍に見舞われた国際学部は、1年秋学期で全員が留学する予定だったが、オンライン留学を取り入れてフォローアップを図った。「現状はこの形で続けますが、早く大学生らしい生活ができるようにと願っています」。

 学生の内訳には変化があった。「学生の出身県は東海4県が85%ほど。30年前は7割が東海4県以外の都道府県出身者だったので、今は真逆になりました」と振り返る。同窓会活動が活発で、各都道府県に、また海外にも5支部を構える。「教員として活躍する卒業生も多く、進路指導の選択肢として中京大学を勧めてくれます。そのためか、コロナ禍でも志願者数や内訳に大きな差は見られませんでした」と、卒業生の母校愛の強さをうかがわせる。

 「今はエネルギッシュな学生が多いです。個性ある取り組みを行った学生にはチャレンジ奨励金制度を設けていて、ベンチャー起業家も現れました」と期待を寄せる。また「データサイエンス分野では、各学部を横断して履修できる仕組みを整えます」と意気込む。特に、スポーツ分野では過去の膨大なデータやノウハウの宝庫でもあるのが梅村学園の強み。専門分野の枠を超えて、ITを駆使した斬新なアイデアを生む突出した存在となっていくだろう。

会社概要
創設 1923年4月
所在地 愛知県名古屋市昭和区、愛知
県豊田市貝津町
学生・生徒数 学生1万2,200人、生徒
1,383人
教職員数 大学535人、高校81人
事業内容 中京大学(国際学部、文学部、心理学部、法学部、経済学部、経営学部、総合政策学部、現代社会学部、工学部、スポーツ科学部)、中京大学附属中京高等学校を運営
https://www.umemura.ac.jp