経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

11の事業展開を武器に。企業の再建を実現し地域の活性化を目指すーアイセ・リアリティー

アイセ・リアリティー 社長 湯本正基(ゆもと・まさき)

不動産事業を中心にM&Aによってホテルやセレモニー、食品、輸入、人材派遣などさまざまな事業を展開するアイセ・リアリティー。4年前より大阪・西成の「スーパー玉出」の再建を任された湯本社長は、地域を支える小売業を通じて西成の活性化にも力を入れる。

アイセ・リアリティー 社長 湯本正基(ゆもと・まさき)
アイセ・リアリティー 社長 湯本正基(ゆもと・まさき)

大阪・西成区を中心に39店舗を展開する「スーパー玉出」。アイセ・リアリティーの湯本正基社長は、4年前より同スーパーを運営するフライフィッシュの社長を兼務しスーパー玉出の再建に取り組んできた。

「特に資本関係はないのですが、縁あって当社がスーパー玉出の再建、特に人材・金融面での支援を続けてきました。大阪では激安スーパーで有名な玉出ですが、当初は商品表示の間違いが多く、それをチェックする機能もない状態。監督省庁からの指摘・指導を多々受けました。その問題を一つ一つ改善し、製品管理や労務管理の大きな改善により直近ではようやく収益面でも良い結果が出始め、昔の玉出を知る人からも店舗がきれいになりイメージも良くなったと言われるまでになりました」と湯本社長は再建の苦労を語る。

「1円セール」や「クリオネの瓶詰」を売るなど常に話題の玉出だが、その面白さはそのまま残しながらアイセ・リアリティーで採用した大手のスーパー出身者と旧玉出出身者の協調体制を確立。オペレーションなどマネジメント部門の大幅な改善に取り組んできた。

「当然『面白くなければ玉出でない! 安くなければ玉出でない』という企業文化は続けます。今回の再建が一段落したこともあり、これからはフライフィッシュの持つ独自性の追求、玉出以外の小売業や新業態の兵庫・芦屋に開店予定の高級スーパーなどへの支援を通じて小売業への進出を本格化していきます」

湯本社長は、玉出を再建する中で西成の経営者との交流、ボランティア活動にも力を入れてきた。その活動から地域の玉出への強い期待を感じると同時に、西成の可能性も感じ応援したいという気持ちになったという。

「2025年の大阪・関西万博の開催、今年4月に新今宮駅近くに星野リゾートのホテルがオープンするなど、あらためて西成の可能性を実感しています。地域住民や近隣飲食店を支えてきたスーパー玉出だけでなく、当社の経営資源を通じて西成の活性化にも貢献したい。そのためにも当社の11の事業での支援に加え、多様な人材を積極的に採用し西成をもっと面白くしていきます」 

会社概要
設立 1987年3月
資本金 5,000万円
売上高 420億円(関係・関連会社含)
本社 東京都台東区
http://www.isereality.co.jp/