DXコンサルで成長。必要なリソースを提供し企業変革を支援ーINDUSTRIAL-X

デジタルトランスフォーメーション（DX）推進支援で成長するINDUSTRIAL-X（以下、インダストリアル・エックス）。コンサルティングだけでなく、IoTやデジタルソリューションなどDX推進に必要なリソースもサブスクリプションで提供し、企業変革を後押ししている。

松下電工（現パナソニック）、大手コンサルティング会社、ＩＴ企業などを経て、２０１９年に同社を立ち上げた八子知礼社長は、起業の思いを次のように話す。

「稼働実績があり効果が検証されたＩＴを企業が個々に導入するのではなく、企業間で共通化、共用化すれば効率的に労働生産性の向上や新事業創出、産業全体の変革につながるのではないかと考えました」

同社のビジネスコンセプトは「Resource As a Service」。ＤＸ推進に必要なあらゆるリソースを提供し企業変革を支援する。その具体的なサービスが「Resource Cloud」で、企業の目指すべき姿の提案から課題の棚卸しを行い、ＩｏＴ／デジタルソリューションの目利きと導入、現場改革リーダーとしての参画などをサブスク（月額課金）で提供する。

企業からのＤＸ支援の引き合いは多い。金属加工、金型製造、自動車部品など製造業を中心に、さまざまな業種に広がっている。

例えば、顧客の熱海市のリゾート施設では敷地内の丘陵地にあるガーデンに光ファイバーと中継機を設置しＷｉ‒Ｆｉ環境を整え、カフェにキャッシュレス決済を導入したりして、訪問客の利便性を向上。さらに「ＤＸ推進室」の運営も担い、顧客体験価値の向上を支援する。

また大手新聞社ではＤＸ戦略策定やビジネス構築、システム要件定義のアドバイス、開発ベンダー選定などを行う。従来の紙中心から、コンテンツを加工・編集して紙、ウェブ、アプリなどに出し分けるビジネスモデルへの転換を支援する。

「顧客の将来像を予想し、そこを起点に今取り組むべきことを提示するバックキャストの力。そして必要なリソースを包括的かつ（支払い方法に至るまで）柔軟に提供する力。これが当社の強みです」

今後は「Resource Cloud」に注力する。新たに認定制度を設け、パートナー企業、全国各地の士業、ＩＴコーディネーターなどにノウハウを提供しＤＸ支援を強化する方針だ。今年度の事業スローガンは「極調」。仕事を極める、極端に飛び抜けるということと、調和する、調整するといった相反する要素をバランスさせようという狙いだという。