独立系運用会社として、富裕層が資産運用から安定したリターンが得られるようサポートするアリスタゴラ・アドバイザーズ。日本とイスラエルの企業をつなげるファンドも展開するなど、従来なかった金融サービスを開発している。篠田丈会長の事業展望を探る。
「日本の証券会社が販売する投資信託などの金融商品は、自分たちが売りやすいものを優先していて、個々のお客さまに最適なものを販売しているとは言えません」と話す篠田会長。国内外の金融機関で要職を歴任した経験を持ち、富裕層への投資アドバイスを行う中で、リスク・リターンのよくない商品を買わされている人が多いことに驚いたという。
「安定性や収益性に優れた世界トップレベルの金融商品・金融サービスは、日本の証券会社ではまず扱っていません。そこでスイスのプライベートバンクのプラットフォームを使って、外部運用者として世界トップの金融商品で運用する提案を富裕層の方に行っています」
富裕層は、今後資産の増大が見込まれ長期取引をする人も対象となる。
「富裕層へのサービスは資産運用に加え、ファミリーオフィスサービスの一環で、富裕層のファミリービジネスへのサポート(投資銀行業務)も行います。日本の富裕層の悩みに沿ったサービスを行っています」
日本の富裕層と海外の富裕層では考え方に違いがある。
「海外の富裕層は本当の意味で長期投資を理解していますが、日本の富裕層は長期投資と思いながら短期の結果に影響されてしまいます。この文化の違いをスイスのプライベートバンクと調整しながら運用するのがわれわれの役割です」
イスラエルと日本企業との連携を強化するため、イスラエルの先端テクノロジースタートアップに投資をする「アリスタゴラVCイスラエル・テクノロジーL.P.(ファンド)」も組成している。
「大手企業年金基金などの出資を得て運用しています。選定にかけられたスタートアップ企業のデータベースを出資者に提供するのが強みで、日本企業とイスラエルのイノベーション企業を結び付ける橋渡し役を担いたい。イスラエルに興味がある方にファンドを活用してほしい」
金融市場のグローバル・スタンダードを知り尽くした篠田会長だからこそできることは多い。
「ほったらかしにしていても安心できる健全な金融サービスを提供し、他社がやっていない事業をこれからも進めていきます」
会社概要 設立 2007年4月 資本金 5,000万円 本社 東京都港区 事業内容 アセット・マネジメント業務(投資運用業、投資助言・代理業、第2種金融商品取引業)、コーポレート・ファイナンス業務(IPOコンサルティング、資金調達アドバイザリー、M&Aアドバイザリー) https://aristagora.com/ |