独自の多角化経営で新規事業にチャレンジしつつ貧困問題の解決を目指すーNGIホールディングス

千葉を拠点に、バラエティーに富んだビジネスを展開するNGIホールディングス。必ずしもシナジーにこだわらない積極的な多角化経営を進める背景には、大きな夢の実現に向けて邁進する同社ならではの経営ビジョンがあった。

自動車販売から外食、ＩＴ関連、さらには建設関係まで、ＮＧＩホールディングスが手掛ける事業は多岐にわたっている。

「どんな時代になっても永続できる経営体制を目指した結果が、現在の多角化経営です。個別の事業内容にこだわりはなく、ホールディングスが新しい苗を植える存在だとすれば、それぞれの事業会社は選択と集中を行ってその苗を大木にする、という役割分担になります」

そう語る椎名佑介代表。その言葉通り、自身のアイデアをベースに取り組んできた多彩な事業は結果としてリスクの分散となり、長引くコロナ禍においてもホールディングス全体の売上高や利益率は過去最高の実績で推移している。

そんな同社がこだわっているのが人材だ。「ｃｈａｎｇｅ ｗｏｒｌｄ」をコーポレートスローガンに掲げ、企業内大学をはじめとする各種教育制度を拡充して世界に通用する人材の育成に取り組んでいる。

「当社にはいろいろな夢を持った仲間がいます。ビジネスを学び、そのビジネスを通じてプロ集団を目指すことによって一人一人がそれぞれの夢の実現に近付くことができるという、向上心を持つ若者にはこの上ない環境を整えています」

これまで３年間行ってきた新卒採用で入社したメンバーもすっかり定着したことから、今後は採用活動をさらに強化していくという。

既存事業を伸ばしつつ、店舗内装工事事業やフィットネス事業、コンサルティング事業など新規事業を開発し、多角化経営を進めるという同社。椎名代表が起業したきっかけは、アジアへ渡航した際に現地の貧困を目の当たりにしたことだった。

「この世界的な課題を解決するには、貧しい人々に魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えなければなりません。これだけビジネスを横に広げてきたわれわれだからこそ、その役割を果たして貧困問題を解決する糸口になるような提案ができるのでは、と考えています」

今後は共に課題解決を目指す企業とのパートナーシップやＭ＆Ａなども視野に入れながら、海外進出も含めて自社の歩みを加速させていく考えだ。