関東1都4県でレンタカー事業を展開する日進レンタカー。法人85%、個人15%と法人向け業務を中核とする。法人需要は月単位利用のため、年平均75%という高い稼働率を誇る。全国のレンタカー会社の中でも最安値レベルの料金でサービス提供している。(雑誌『経済界』2022年9月号より)
1969年の創業時から「お客様と共に繫栄する」を経営理念に掲げ、真心のこもった人間的なサービスがモットーの日進レンタカー。富田社長が声を大にして伝えているのは安全・安心・快適の3つの価値だ。
「自社運営の整備工場で約6千台の車両の点検、修理、車検などを徹底しており、当社の車は絶対安全ですと胸を張って言えるのです。日本トップクラスの損害保険会社で自動車保険を万全に付保しているので、事故時の対応も安心です」
法人顧客には、相手先に出向いて要望を細かく聞き、最も効率的に利用できるプランを提案する。企業によって繁忙期は異なるので、うまく調整することで相手先企業は無駄な維持費削減になり、日進レンタカーは車両不足を回避して高い稼働率が可能となる。休眠車両維持管理費を上乗せする必要がなくなり、低価格で提供できる理由がここにある。
現在のレンタカー業界は、若者の車離れが進み、人材不足という大きな問題を抱えている。一方で、車は必要な時に必要な時間だけ利用する合理的な利用者が増えているので、レンタカー業界にとって追い風となっている。給与は高卒でも月給30万円以上と、業界内でも高い水準だ。
「しかし、今の若い方は社会貢献、地域貢献などに自分の価値を見いだす人が多い。当社はコロナ禍でも年中無休、時短もせず、8~20時までの営業を継続しています。レンタカーは、ある意味エッセンシャルワークだと思うからです。そうした部分にやりがいを感じてくれる社員たちに支えられていると実感しています」
同社は、あえて細かい接客マニュアルは設けていない。一人一人が最善を尽くすのが最高のおもてなしになると考えているためだ。
社員同士のコミュニケーションを図るため、毎年秋に費用会社負担で全社員を対象に海外社員研修を実施。海外でレンタカーを借り、自由行動を楽しんでもらう。2班に分かれ、創業者である会長と社長がそれぞれに添乗員を務める。
「社員の自主性を尊重しているからで、それは各自を信用していることの裏返しでもあります」
中期計画で営業所50、所有車両台数1万台を目指す挑戦は続く。
会社概要 設立 1969年8月 資本金 2億9,000万円 本社 東京都目黒区 従業員数 170人 事業内容 自動車の賃貸借、売買および整備修理業 http://www.21rentacar.com/ |