経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

技術力のエンジニア集団。リブランディングを経てサービス創造企業へ アスノシステム 齋藤武育

アスノシステム 齋藤武育

システム受託開発のほか、Webメディアサービスやコワーキングスペースの運営など、自社サービス運営へと主軸を置き始めたアスノシステム。IT人材の獲得競争が熾烈を極める中、若手エンジニアの育成に力を入れている。(雑誌『経済界』2022年9月号より)

アスノシステム 齋藤武育
アスノシステム 齋藤武育

昨年9月リブランディングを開始したアスノシステム。新規サービスをつくる強化体制の訴求などを考え、コーポレートサイトや採用サイト、企業ロゴなどを刷新した。

「請負契約の受託開発も大事にしつつ、これからはパートナーとともにサービス創出がメーンの企業になっていき、新たな価値を提案できる集団になる。これがリブランディングを行った最大の目的です」

リブランディングに合わせ2021年9月に人材育成の強化策を導入。在籍175人中エンジニアが150人と、技術者集団のアスノシステムは全社のスキル底上げが企業成長の鍵を握る。新しい育成方法の最大の特徴は、エンジニアの習得スキルや目標達成度合い、果たしている役割に応じて職階を設けた点だ。

「現状の達成度合いを上司との面談ですり合わせて確認し合った上で、今後の目標を立ててもらいます」

個人目標と設定基準への到達度合いに応じて給与面に反映される制度だ。上位職階は技術研修とマネジメント研修の2コースから選べる。

「管理職になることだけが全てではないし、エンジニア専門職の給料の方が高いことも今では普通です。エンジニアが活躍できる道は増えており、それを応援したい」

入社3年目までの若手社員に対するカリキュラムが手厚く用意されているのが特徴だ。

「優先順位を付けて今は特に新人のフォローアップを重視しています。仕事を通じた成長だけでなく、学びを通じた成長を感じてもらい、活躍してもらいたいですから」

一つの場所に集まって研修を行うことで、コミュニケーションが生まれるメリットもあるそうだ。

「コロナ禍以降は社員間のコミュニケーション不足や帰属意識の低下が全社の課題でした。その点でも研修は有効に機能しています」

また、退職率が高いと言われるIT業界にあって、アスノシステムの年間退職率は5%以下と低い。

「個人の成長で見れば、転職は決して悪いこととは考えていません。ただ、せっかくの縁なので一緒に仕事をしていきたい。社会課題を解決する新サービスを立ち上げていくので、活躍を期待しています」 

会社概要
創業 1988年
設立 2009年9月
資本金 1億円
本社 東京都港区
従業員数 175人
事業内容 システム開発、オフショア開発、Webインテグレーション、ERPパッケージ販売、ハードウエア保守、Webコンテンツ販売、各種サイト運営、コワーキングスペース運営など
https://asno-sys.co.jp/