総合物流業を手掛けるネクサスは、創立10周年を機に強みである家具配送のワンストップサービスを「KAGU配(カグハイ)」として新たにブランド化した。全国の一般消費者へ認知度の強化を図るとともに、海外展開も視野に入れている。(雑誌『経済界』2023年1月号より)
佐賀県、福岡県、大阪府で展開する物流センターを拠点に全国ネットワークを敷くネクサスが、2022年8月に創立10周年を迎えた。
「長いようで短かった」と語るのは同社の宮原弘幸社長。「創業当初は苦しく、10年も続くとは思っていませんでした。社員と取引先を守ることだけを考えて、がむしゃらに続けてきました」と振り返る。
事業が軌道に乗り始めたのは、創業から4年が経った頃だ。それまでは地場企業からの受注が中心だったが、徐々に全国大手からの取引が増えた。そこからコロナ禍の始まりに前後して、さらに成長していく。新しく就任した取締役に業務を一定程度任せ、宮原社長自身は営業に注力。同時期にコロナ対策の消毒液や検査器具の配送などを受注したことで、売り上げが急激に伸びていった。
成長とともに協力会社も増え、今やその数は北海道から沖縄まで約50社に上っている。この協力会社体制が独自の全国ネットワークを実現させている。前期の年商は5億円。現在は倉庫での保管、管理、輸送まで一括で請け負う3PL事業に注力。今期は6億5000万円に達する見通しだ。「今後5年で年商30億円を目指します」と力を込める。
一方、同社が創業以来取り組んできたのが、家具・家電の配送におけるワンストップサービスだ。単に運ぶだけでなく、保管や管理、納品後の組み立て、廃材回収まで一元的に行うもので、これまでの成長を支えてきた強みの一つだが、22年7月に同サービスを「KAGU配(カグハイ)」として商標登録した。
「社名のネクサスでは家具配送を行う会社だと伝わりにくいため、一般消費者への認知度向上を図るのが目的です」
今後、車体やスタッフのユニフォームにロゴマークを貼るなどしてブランディングを強化する。同社ではこのほか、BtoB取引についても新たなブランディングを計画中だ。
宮原社長は、以前からアジアでのビジネス展開も構想してきた。それがここに来て、ベトナムでの家具配送事業が現実味を帯びてきたという。
物流のパイオニアとして、佐賀から世界に通用する企業を目指していく。
会社概要 設立 2012年8月 資本金 1,000万円 売上高 5億円 本社 佐賀県佐賀市、西日本物流センター統括営業所:福岡県大川市 従業員数 10人 事業内容 総合物流業 https://nexus-logi.co.jp/ |