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解体業を起点にDXを推進積極採用でさらなる成長を タミヤホーム 田宮明彦

タミヤホーム 代表取締役 田宮明彦

「3年間で400%成長を達成しました」。おしゃれなスーツ姿の田宮明彦代表は誇らしげに語る。2020年に父親の会社を事業承継した若き2代目だ。100億円企業を目指し、これまでの解体業の枠を超えた革新を目指す。(雑誌『経済界』2023年5月号「注目企業2023」特集より)

タミヤホーム 代表取締役 田宮明彦氏

タミヤホーム 代表取締役 田宮明彦
タミヤホーム 代表取締役 田宮明彦 たみや・あきひこ

スポーツ経験者を中心に積極採用で組織力を強化

タミヤホームの2022年度の受注件数は前年比倍増の1千件を超えた。縮小傾向にある国内マーケットでは異例の急成長で、背景には徹底した顧客志向で「お客さまの役に立ちたい」というビジョンがある。

同社は解体工事業者としては珍しく営業職を配置。クライアントと現場の職人との間に立ち、顧客に寄り添って円滑なコミュニケーションを取っている。営業担当者がいることで商談がスムーズに進み、顧客も要望を気軽に伝えられるメリットがある。コスト高にはなるものの、生産性と顧客満足度の向上に寄与している。営業職は現在15人ほど所属し、女性も活躍しているという。

さらなる成長に向けて採用に力を入れ、昨春は初めて新卒社員を2人迎え入れた。まだ発展途上にある事業承継3年目の企業としては、育成に時間を要する新卒採用はリスクがあり、賭けとも言える。

「もちろん、新卒を受け入れるのは怖かったです。タイミング的に早いとも思いました。でも、結果的に良かった。彼らはタミヤホームのカルチャーを柔軟に吸収して体現し、素直に実行してくれます。会社を成長させる上で、フレッシュな存在は大事だと思いました」

田宮代表はそう振り返る。次の新卒採用では「10人採用したい」と意気込む。現在は大手ゼネコンや建設系ITコンサルタント経験者の中途採用を加速。

どの業界も人手不足の日本で、敬遠されがちな業界の、まだ大きいとも言えない企業の積極採用、そして入社増は奇異に映る。ビジネスモデルやビジョンに魅力がある証拠でもあるが、それだけではない。

新卒入社や中途採用者に入社動機を聞いてみると、田宮代表への憧れや信頼の言葉も多く聞かれた。そのカリスマ性と革新的なビジョンで会社の急成長をけん引している。

こうして組織の強化を進める中、特に力を入れているのがアスリートの採用だという。

「アスリートは、目標に向かって、一貫性を持って誠実に行動できる人が多い。そうした魅力を持ちながら、ケガなどでプロの道を断念せざるを得なかった人たちがいます。あるいは、平日は会社で働いて週末は試合に出るメンバーもいます。彼らに声を掛けることで、引退後のセカンドキャリアにつなげてくれればと考えています」

田宮代表自身が学生時代、キャプテンとしてラグビーに打ち込んできたこともあり、その想いは大きい。

DX化で業務効率が向上。システムの横展開を目指す

DXの推進も、代表に就任した当初から描いてきたビジョンだ。いまだに契約書など紙の印刷物でやりとりすることが多い建設・解体業界でDXを推進してきた。契約書の発行や受発注業務、支払いなどを電子化・クラウド化し、スマホで契約を結べるようにした。

「当社のシステムは市販のSaaSを組み合わせてオリジナルのものを構築しています。これにより数千万円かかるコストを安価に抑え、かつ顧客の成長速度や規模に柔軟に対応可能となりました。請求漏れなどを防ぐだけでなく、キャッシュフローや売り上げ推移、顧客管理など経営判断に必要な数字もタイムリーに見ることができます。このシステムがなければ、年間1千件もの管理はできませんでした」

当初構想していたDX推進がようやく花開いた今、次のフェーズでは、このシステムを同業他社にも使ってもらえるよう横展開していく。

「国内の解体工事は28年が業界のピークだと言われています。それを見据えて、人材採用やDXを推進し、年間売り上げ100億円企業を目指します」

「人の役に立つ」が原動力。事業の成長が社会への恩返し

昨年は人材紹介業の免許を取得した。母校の高校や大学のOBなどから相談を受ける中で、「人を紹介できれば社会貢献ができる」と、これを思い立ったそうだ。

「人々のお困り事を解決したいとの思いが、当社のビジョンの柱です。人材紹介業を始めたのは多くの中小企業が採用に困っているからです。何か解決できないか。これが、私たちの原動力ですね」

世の中の役に立ちたい、必要とされたいと何度も繰り返す田宮代表。

「世の中の役に立っていれば、応援してくださる方が自然と増えていきます。そこで事業を拡大させることが、応援してくれた方々への恩返しになる。だから私たちは事業を成長させる必要があるのです」 

昨春に初めて新卒採用を実施。既に貴重な戦力になっている
昨春に初めて新卒採用を実施。既に貴重な戦力になっている
会社概要
設立 1997年6月
本社 埼玉県所沢市
事業内容 解体工事業、鋼構造物工事業、建築工事業、大工工事業、屋根工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、内装仕上工事業
https://www.tamiya-home-kaitai.com/