中学・高校の授業に始まり、街の英会話スクール、マンツーマンのオンラインレッスンなど学ぶ機会こそ多いものの、日本人が英語を使いこなすのは至難の業だ。そんな現状を打破するのが、カワバタ・ランゲージ・インターナショナルの新しい語学スクールだ。(雑誌『経済界』2023年5月号「注目企業2023」特集より)
カワバタ・ランゲージ・インターナショナル 代表取締役 川畑秀雄氏
アウトプットを重視する独自の仕組みでFC展開
国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」の調査によると、非英語圏111カ国・地域のうち日本人の英語力は第80位と低迷している。グローバル化が進み英語の重要性が高まっているにもかかわらず、いまだに日本人にとって英会話習得のハードルは高いのが現状だ。
「全国の25歳以上の英語学習人口は804万人です。これだけの人々が熱心に取り組んでも日本人の英語力が上がらないのは、従来型の英会話スクールに問題がある、と考えました」と語るのはカワバタ・ランゲージ・インターナショナルの川畑秀雄代表。
もともと日本の医療費の大幅削減を目指した水素サプリメント「Dr
’s水素セレブ」の販売や企業向けの研修事業などを手掛けてきた川畑氏は、海外出張時などに英会話の必要性を痛感してスクールに通い始めた。しかし、複数の語学サービスに高額な受講費用を払いながら、数カ月通ってもなかなか上達することができなかった。
その時の苦い経験を元に、今回新たにスタートしたのが、「SHAKE HANDS LANGUAGE SCHOOL(シェイクハンズランゲージスクール)」だ。同スクールは語学スクールのあるべき姿として「言語の壁のない国境を越えたコミュニケーションによる平和で幸せな社会の実現」を目指すという。
「英会話の習得が難しい一番の理由は、アウトプットする場が少ないことです。いくらレッスンで学んでも、実際に生きた会話をする機会がなければなかなか上達しません。当スクールでは、通常のオンラインレッスンに加えて生徒が集まるリアルなコミュニティの場を提供します。カフェや居酒屋、バーベキューやゴルフなどさまざまな場所で、気軽に英語で会話することで着実に上達できます」
全国各地でそうしたコミュニティを形成するために、同社ではフランチャイズシステムを採用している。例えば飲食店のオーナーであれば、自らの店舗をコミュニティの場とすることで収益の多角化が実現する。生徒の契約数に応じて毎月報酬が発生するストック型ビジネスでもあり、2022年12月からの募集にもかかわらず、既に全国で49社が加盟するなど、その注目度の高さがうかがえる。
また、同業他社に比べて圧倒的に安価な受講費用も同スクールの特長だ。一つのIDで月額1万1千円、この料金内で登録者の三親等計10人、法人利用では同料金で社員10人(パート・アルバイト含む)までレッスンを受講可能という破格の料金設定となっている。これが可能な理由は、レッスンに使用する教材に、企業広告を取り入れるという大胆かつ斬新な発想によるものだ。
「例えば、通常の英会話教材では『レストランに行く』ですが、ここに具体的な店舗名を入れます。生徒が何度もその企業の商品やサービスを反復して唱えることで大きな広告効果が期待できます。また、コミュニティの場においても、企業の提供を募るなどして、生徒の負担を極力抑えるようにしています」
高い理想を掲げる会社の趣旨に著名人も賛同
レッスンはZoomを使用してオンラインで行い、アーカイブで過去講座の視聴も可能。フィリピン人の講師に加え、バイリンガル講師が日本語でサポートするため、初心者でも安心して受講できる。
現在は英語のレッスンのみの提供だが、今後は中国語や韓国語、さらにはスペイン語、ヒンドゥー語、アラビア語、マレー語などの開講も予定している。
また、同社では全国の児童養護施設や児童相談所の児童をサポートするため「チャイルド・サポート・プロジェクト」として、これらの施設にはレッスンを永年無料で提供する。
「子どもたちの方が英会話の習得は早いですね。字が読めなくても耳から入るので自然に言葉が出てきます。水族館や動物園、ハイキングなど子ども向けのコミュニティも設けたいと考えています」
プロジェクトのアンバサダーには人気俳優の新田真剣佑氏が就任、児童養護施設の訪問活動を行っている。
「世界を変える」という川畑氏の想いが詰まった同スクールの趣旨には、多くの著名人が賛同している。実業家で教育者の小田全宏氏を学長に迎え、ドイツリーグで活躍した国内最初のプロサッカー選手の奥寺康彦氏が取締役に就任。さらにレノバ会長の千本倖生氏や俳優の金田賢一氏、オスマン・サンコン氏などそうそうたる面々が同社の顧問に名を連ねている。
川畑氏は、昨年6月に逝去したソニー元社長の出井伸之氏とも親交が深く、生前には「人が今、見えていないものが見える豊かな世界を創りなさい」と言われたという。
「スクールはその言葉を実践するものです。将来的には国内50万世帯が受講する語学スクールのナンバーワンを目指しています」
会社概要 設立 2022年10月 資本金 3,000万円 本社 神奈川県横浜市 事業内容 オンライン語学スクールの運営、語学スクールと紐づいた各種コミュニティの運営、語学教育等の支援活動 https://language.kawabata-method.com |