経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

高品質な居住空間を提案。日本全体の価値向上を目指す BEARS 宅間理了

BEARS 宅間理了

BEARS(ベアーズ)は「日本の中心・東京都心の不動産の価値を上げることで、日本全体の価値を上げていく」という理念のもと、豊かな居住空間の創造と同社の理念に共鳴する顧客と人材の獲得に邁進している。(雑誌『経済界』2023年7月号「住宅・不動産特集2023」)

不動産に本来の実力以上の価値を持たせる

BEARSは不動産の価値を高めることに注力している。なかでも重点を置いているのが居住空間の創造だ。インテリアデザインを手掛ける会社をグループ化していることからもその姿勢がうかがえる。BEARSグループのインテリアデザイン力とコーディネート力をフル活用することで、物件に本来の実力以上の価値を与えることに成功し、業界内で確固たる地位を築いている。

BEARS 宅間理了
BEARS 代表取締役CEO 宅間理了 たくま・みちよし

 同社が手掛けるのは、マンションの1室など専有部だけにとどまらない。建物全体のリノベーションや用途の改善、新たな利用用途への変更など、総合的で多岐にわたる。「物件のポテンシャルを最大限に引き出す方法を考え、ご提案しています」と宅間氏は語る。

 手掛ける物件は決して廉価ではないが、それには理由がある。「妥協せず、本質的に良いものを使うからこそ高値にせざるを得ない」と宅間氏。「たとえば、私たちは〝大理石風〟のタイルではなく、本物の大理石を選びます。50年後に建て直すときにも再利用したくなるようなものにこそ、価値があると考えているからです」

 同社が不動産の価値向上にこだわる理由は、宅間氏の強い信念にある。

 「私たちの使命のひとつに、不動産を通じて日本の価値全体を上げていくことが挙げられます。日本人の超一流のサービスは安すぎる。このことをきちんと証明し、不動産を通じてその価値を世界中に表現していきたいと考えています」と強調する。

 BEARSは昨年からウェブメディア「BEARS MAGAZINE(ベアーズマガジン)」の運営をスタート。同社が提唱する居住空間とライフスタイルを発信している。「このメディアを通してBEARSの物件紹介サイトにご来場していただいています。当社に共感していただけるお客さまを増やすためには、こうした地道な活動が欠かせません」

 顧客開拓はインターネットにとどまらない。BEARSがデザインした居住空間を実際に体験してもらうため、モデルルームを活用した「BEARS ACADEMY(ベアーズアカデミー)」を開催している。これは、たとえば、BEARSが設えた空間でお茶を楽しむなど、上質な時間を過ごす経験を通して、居住空間をデザインする意味や価値を感じ取ってもらう試みだ。

BEARS
素材の一つ一つにこだわった上質な空間を提供している
(C)SS/堀越圭晋

挑戦を後押しする体制で8期連続の増収増益を実現

 BEARSは8期連続で増収増益を実現している。その秘訣はどこにあるのだろうか。

 「結果だけを見れば増収増益を続けていますが、困難な局面は多々ありました。それを乗り越えてきたのは、強い信念と私を信じてついてきてくれるスタッフの力です。私ひとりではとてもできません」

 同社は不動産売買にとどまらないサービスを次々に提供している。宅間氏のリーダーシップが新たな道を切り拓いているように思われがちだが、新規事業のアイデアはボトムアップ的に吸い上げたものだという。

 「社員の意見を酌んでいく形です。『面白そうだな』と思ったことは、『やってみる』しか選択肢はありません。なにもやらないことが失敗です。挑戦することに意味があります」と宅間氏は果敢な挑戦を促す。

 若い社員の意見を柔軟に取り入れ、任せていく姿勢、体制づくりがBEARSの成長を支えている。

 同社は、人材の採用にも積極的だ。今年4月には5名の新卒社員を迎えた。新卒採用を開始したのは昨年からで、中途採用も積極的に行っている。理念に共鳴できる人なら業界経験は問わないという。

 「当社の理念に共鳴できる人を、丁寧に採用していきます。目が届く人数をしっかりと育てていく方針です。BEARSだから味わえる成長の感動を一緒に感じてもらえるような人を着実に増やしていきたいと考えています」

 「BEARSに関わる人全員を幸せにしたい」と宅間氏。社員にかける思いは強く、人材育成にはさらに注力していくという。

 現在、BEARSグループのインテリアデザイン会社は、ビジネスジェットの内装デザインプロジェクトを進めている。ビジネスジェットの客室も住空間のひとつと捉え、乗客がそこで過ごす時間をより良いものに仕立てていく。これは同社にとって新たな試みであり、富裕層との関係性を強化する重要なチャレンジだ。

 「当社のインテリアデザインは、手前味噌ながら日本一を自負しています」と宅間氏は自信を覗かせる。

 「10年目を迎えましたが、ベンチャーマインドを忘れることなく、いまでもスタートアップのような気持ちです。常に成長の過程なので、会社はもちろん、私を含めた社員全員が人として物心両面で成長していく。それを楽しいと思ってもらえるように皆さんとともに、今後も特別な体験と感動を共有していきたいですね」 

◆会社概要

設 立:2014年3月

資本金:1億円

所在地:東京都千代田区

従業員:35人(2023年4月現在)

事業内容:デジタルプラットフォーム事業、不動産投資事業、不動産鑑定事業、インテリアデザイン事業

HP:https://bearsinc.co.jp/