経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

顧客の成功が私たちの成功事業を二人三脚で成功に導く 西谷弘毅 パースペクティブ

パースペクティブ 代表取締役 西谷弘毅(にしたに・ひろき)

製薬業界にフォーカスした事業活動を展開するパースペクティブ。実践的なコンサルティングと的確なICTサービスの提供で国内外の企業からの信頼も厚い。さらなる飛躍を目指す西谷弘毅代表に求める人材像と事業戦略を伺った。(雑誌『経済界』2023年9月号 総力特集「人材育成企業2023」より)

パースペクティブ 代表取締役 西谷弘毅(にしたに・ひろき)
パースペクティブ 代表取締役 西谷弘毅(にしたに・ひろき)

コンサルティングとリアルビジネスが会社の両輪

顧客企業の経営や業務、IT上の課題を解決に導くマネジメント・コンサルティング事業と、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やシステム開発、クラウドなどのサービスを提供するリアルビジネス事業を手掛けるパースペクティブ。売り上げの3分の2をマネジメント・コンサルティング事業、残りをリアルビジネス事業が担っており、顧客の中心は製薬とヘルスケア業界の企業だ。西谷代表をはじめ、社員全員が製薬会社との業務経験を持っているのが特長であり強みと言えるだろう。

コンサルティングとリアルビジネスは、どちらも欠かすことのできない同社の両輪だ。BPOやデータ処理など、リアルビジネスでの経験やノウハウをコンサルティング業務にフィードバックすることで、より厚みのあるコンサルティングの提供を実現している。また、個々のコンサルティングで向き合ってきた課題を業界全体の共通した課題と捉え、ITを活用して標準化。これをコモディティ化しリアルビジネスでサービス展開することで、より多くの顧客に貢献している。

「私たちの提供するコンサルティングはお客さまと二人三脚でプロジェクトの成功を目指すものです。加えて、リアルビジネスでもお客さまと並走することにより、経験や実務的なノウハウなどの知見を蓄積し、コンサルティングにフィードバックします。このサイクルを回すことをコンセプトとして事業を展開しています」と西谷代表は説明する。

業界未経験者をプロフェッショナルに育てる

「私たちはプロフェッショナルの集団として、お客さまの期待を超え、感動を与えるサービスを提供することを目指しています」と話す西谷代表。「プロフェッショナル集団として、情報技術の利活用をお客さまの価
値向上につなげることで、お客さまの成功に貢献する」が同社の存在意義として掲げられており、「Client Focus」「Professionalism」「Value Based」「Trustful Team」「Have Fun!」を5つの行動指針としている。中でも一番大切にしているのが「Client Focus」だ。

「お客さまの課題を解決することが私たちの使命です。その成功のために自分が積極的にコミットしていくことにこそ自身の成長やビジネスパーソンとしての充実と成功がある。このことを徹底しています」と西谷代表は強調する。

同社が定義するプロフェッショナル人材像の基本的な資質は大きく3つある。

まず一つは「Accountable」で、自分の責任で物事を捉え、自分で選択し、自分で行動を起こす。主体性と当事者意識を持ち、自発的に行動を起こすこと。2つ目が「Assertive」で、相手を尊重しながら自分のこともきちんと表現できること。3つ目が「Proactive」で、チャレンジできる機会をチャンスと捉え、積極的に取り組むことだ。

コンサルティング会社の資産は人。パースペクティブが掲げる高い目標を実現するためには、社員一人一人の成長が不可欠。そのため、社員教育と育成を強く意識し、環境づくりに余念がない。近年は未経験者の採用が増えているため、「お客さまの期待を超えるプロ」を育成する教育カリキュラムを独自に開発した。また、ビジネススクールなど外部でのトレーニングも費用を会社が負担しており、若手を中心に多くの社員が積極的に受講している。

また、同社では社員のヒエラルキーを排除。フラットな組織にすることで、手掛けたいプロジェクトに自分から手を挙げられる環境を整えている。上司に代わって相談相手となるのが、メンターやコーチの役割を担う社員だ。

「各々の社員の成長を促すため、例えば3年後にどうなりたいのかを時間をかけて聞きながら言語化し、今足りないものを可視化して、次の目標を定めていきます。こうしたプロセスをサポートしていくのがメンターでありコーチという存在です」

若手社員にも責任ある仕事を任せていく同社の風土が醸成されているのは、西谷代表の実体験に関係があるようだ。

「私が外資系のコンサルティング会社で20代最後から30代前半を過ごした2000年代前半は、製薬業界で大きな合併が相次ぎ、33歳の時に某大手製薬会社の合併プロジェクトの責任者になりました。若い私がこのような重責を担わせてもらえたことは、大変でしたがとても良い経験になりました」

パースペクティブは30年に売上高、社員数ともに現在の3倍の規模まで成長させることを目標に掲げている。超高齢社会による社会保障費の増大に伴い、国は病気の診断と治療の「キュア」から予防や予後など「ケア」への転換を図っている。

「今後も製薬業界がコアなターゲットであることに変わりはありません」とした上で西谷代表は、「医療費がかからない世界の実現を目指す上では、製薬会社だけではなく、さまざまな企業が自分たちの強みを生かして健康やライフサイエンス、ヘルスケアに関連した製品やサービスを提供していく必要があります。これまでコンサルティングやサービス提供で培ってきたノウハウを、今後拡大するマーケットにも提供していきたいですね」と抱負を語った。 

会社概要
設立 2006年3月
資本金 3,000万円
本社 東京都千代田区
従業員数 36人
事業内容 マネジメント・コンサルティング事業:会社経営の視点に基づくコンサルティングサービスの提供、リアルビジネス事業:ICT技術を活用したシステムサービス、BPO の設計・導入・運営
https://www.perspective.co.jp/