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出来高制からチーム制に離職率を大幅に改善し社員が輝き、辞めない会社に 石川雄史 シャイン総研

シャイン総研 社長 石川雄史(いしかわ・たけし)

中小企業向けに補助金・公的資金を活用した財務改善コンサルティングを手掛けるシャイン総研。これまでの実績は延べ1,800社、98億円超の補助金活用をサポートしてきた。44歳で会社を立ち上げた石川雄史社長は「社員が輝き、辞めない会社」を目指す。(雑誌『経済界』2023年9月号 総力特集「人材育成企業2023」より)

シャイン総研 社長 石川雄史(いしかわ・たけし)
シャイン総研 社長 石川雄史(いしかわ・たけし)

「最初は失敗の連続で、入っては辞めの繰り返し。創業2年以内の離職率は7割を超えていました」

会計事務所向けコンサルタントとして経験を積んだ後に独立した石川社長。出来高制を導入したが研修制度もなく、コンサル経験のない社員の離職は止まらなかった。意を決して出来高制を廃止すると今度は経験豊富なベテランたちが辞めた。

「思い描いた会社の姿ではなく、たとえ全員辞めてもゼロから作り直すしかないと判断しました。理想は若い社員が仲良く成長し合える場。5年後、10年後を考えれば社員がついてこない会社に未来はありません」

「会社のため」ではなく、「個人の成長のため」を目指してチーム制を導入、メールマガジンの配信や雑談朝礼、会社の利益の可視化、インターン生の受け入れなどを始めた。メルマガは自分の夢や考えを800字程度にまとめて毎日配信。朝礼では仕事の話はせず、「今日のグッドニュース」などを発表する。会社の業績は目標値を超えた利益のうち、4分の1は賞与として分配される。

「利益は会社、社員、社会(税金)、顧客に4等分すべきものです。社長の給与は多いと思われがち。利益配分の透明性を高めつつ社員が会社全体の利益を目指すようにしました」

社員からは提案が徐々に増えるようになり、メルマガや朝礼も自然と持ち回り制に。それまで「4番ピッチャー」としてトップセールスをこなしていた石川社長が現場に出る機会は減り、一方で顧客からは社員の好評が耳に入るようになった。コロナ禍で補助金の活用も拡大。従業員はパートやインターン生を含めこの2年で20人から60人に増え、社員には3カ月間の研修制度を設けた。

「中途採用者には大手企業からの転職も多い。当社の規模で3カ月間の研修期間は長いかもしれませんが、大看板もない当社を選んで来てくれた社員は長い目で育てて、適正を見極め、数年後の階段まで示したい。安心できる居場所に転職して良かったと思われる会社になりたい」

オフの日は社員同士が遊ぶことも多く、現在の離職率は2割以下に改善。今年は採用と育成を担う部署を新たに設置。3年後には従業員規模を100人体制にする計画だ。 

会社概要
設立 2012年3月
本社 東京都千代田区
従業員数 60人
事業内容 経営コンサルティング
https://shine-soken.jp/