経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

インフラの下支えで社会貢献していることを社員が誇れる会社に 坂口隆冨美 西部電気工業

西部電気工業 坂口隆冨美

2023年6月、西部電気工業の新社長に、親会社から坂口隆冨美氏が就任した。将来の成長に向け、主要3事業でリソースの再配置を計画している。就任後は社員との対話を重ねており、「社会貢献していることを誇れる会社にしたい」と意気込む。(雑誌『経済界』「半導体特需に沸く九州特集」2024年1月号より)

西部電気工業 坂口隆冨美
西部電気工業 坂口隆冨美

 NTT西日本や携帯キャリア向けの通信設備工事等を手掛ける西部電気工業。2023年6月、新社長に、親会社で通信建設大手エクシオグループ取締役常務執行役員の坂口隆冨美氏が就任した。

 坂口氏は熊本県出身で、九州大学工学部で学ぶなど九州に縁のある人物だ。大学卒業後にNTTに入社し、NTTグループ企業の支店長を務めていた12年前には西部電気工業とも交流があったという。社長就任から半年余り経ち、「中に入ってみると今まで気付かなかった課題も見えてきたので、どう対処するか議論を進めているところ」と語る。

 同社の事業は、通信キャリア事業と都市インフラ事業、システムソリューション事業の3本柱からなる。業績は23年3月期で売上高513億円、営業利益21億円。今期は売上高534億円、営業利益20億円の増収減益と見込む。坂口氏は「上期は計画通りにいったので下期に注力しているところだ」と語る。

 また、将来的な成長に向けて、3本柱の事業それぞれにおいてリソースの再配置に取り組もうとしている。

 「現在、当社の売り上げのベースとなっている主要な事業分野も将来的に需要が落ち着いてくる可能性はある。そこで生産性を上げ、そこから創出した人員を、新たな需要拡大分野や当社にとってのチャレンジ領域の強化に向けていく」

 これら生産性向上と再配置により、インフラシェアリングなどの通信環境構築、エネルギー分野やセキュリティ分野のビジネス等を強化する。また、各種提案においては、上流から参画し仕様策定から設計・構築・保守までフルレイヤで対応し、継続的な関係構築に力を入れる。

 人材確保にも注力する。例年、20~25人を新卒で採用するほか中途の人材も受け入れている。現場最前線で協力会社を含めた指導や進捗管理を担う若手社員や女性社員もおり、「誰でもさまざまな分野で活躍できることを訴求していきたい」とする。

 坂口氏は社長就任後、若手社員らとの対話も始めた。ICT基盤を含め社会インフラを下支えしている同社。「社員一人一人が社会に貢献していることを誇れる会社にしたい」と力を込める。 

会社概要
設立   1947年7月
資本金  16億円
売上高  513億円(単体)
本社   福岡県福岡市博多区
従業員数 869人(単体)
事業内容 ICTソリューション事業、ソフトウエア開発事業、土木・情報インフラ設備事業ほか
https://www.seibu-denki.co.jp/