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ウェルエイジングと新たな理念を掲げ「青汁」を超える企業へ 佐伯澄 キューサイ 

キューサイ 佐伯澄

「青汁」で抜群の知名度を誇るキューサイが、新たなブランディングとして「ウェルエイジング」を展開している。健康・美容商品の枠を超えて、商品を通じて心と体の豊かさを実現したいという願いを込めたものだ。佐伯澄社長が展望を語る。(雑誌『経済界』「半導体特需に沸く九州特集」2024年1月号より)

キューサイ 佐伯澄
キューサイ 佐伯澄

 「壮大なブランディングです」と笑顔で語る佐伯社長。無農薬、高品質の「青汁」で知られるキューサイの社長に就任したのは2022年のこと。心と体が良好な状態で保たれることで、年齢を重ねることを喜びに感じより前向きに美しく、やりたいことに挑戦できる「ウェルエイジング」を支援する企業への進化を目指している。

 「例えば朝、栄養豊富な青汁を飲んで『今日も元気だ』と喜びを感じ、コラーゲンを8週間ほど摂って、膝関節の曲げ伸ばしが改善し、『ちょっと遠出してみるか』とうれしくなる。スキンケアを続けて肌にハリ・つやが出てきて『今後の同窓会が楽しみ』とワクワクする。そんな体と心の豊かさを応援したいのです」

 21年6月、ミドリムシの健康食品などを手掛けるバイオベンチャーのユーグレナ(東京都港区)の子会社となった。「まず~い、もう一杯!」のCMで一世を風靡した「青汁」だけでなく、ヘルスケアやスキンケアのマルチプロダクト開発に加え、TV、ECサイトや店舗流通のマルチチャネル連動に力を入れる。

 「青汁原料のケール栽培では農薬を使わずに、虫がいれば手で取るといった品質や安全性にこだわる企業であるという長年培ったブランド力は大きな財産です。弊社の製品はいずれも口に入れたり肌に触れたりするわけですから、安全や信頼あってこその事業展開となります」

 佐伯社長は「顧客」の表現にもこだわりがある。「『個客』です。個客の生活習慣やエイジングに対する欲求を理解し、丁寧に寄り添うことで、絶対的なファンとなり新しい顧客体験のヒントを与えてくれたり、情報を発信してくれる大切な方々です」。

 現在は社員に「ウェルエイジング」と「本当に品質や効果を実感できる商品だけお届けする」という理念を浸透させ、「誇りを持って働いてくれています」と語る。22年度の売上高は約257億円。中期経営計画では25年度300億円を目指す。「ウェルエイジング」の認知度アップはこれからだが、「商品と理念には自信があります。多くの消費者に『ウェルエイジング=キューサイ』と認知されれば、ブランディングは揺るぎないものになります」 

会社概要
設立   1965年10月
資本金  3億4,900万円
売上高  257億3,000万円
(2022年12月末現在)※グループ連結
本社   福岡県福岡市中央区
従業員数 365人※グループ連結
事業内容 ヘルスケア商品、スキンケア商品等の製造・販売
https://corporate.kyusai.co.jp