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複数有資格者を多数抱え、取引先からの信頼厚い業務用空調のプロ集団 住本真理 九州空調

九州空調 住本真理

九州空調は創立58年目の業務用空調設備工事・保守会社。大手メーカーと特約店契約を結び、保守先は200以上に及ぶ。それを支えるのは社員の技術と知識の高さだ。同社の強さの背景には創業以来「社員を大切にする」精神がある。(雑誌『経済界』「半導体特需に沸く九州特集」2024年1月号より)

九州空調 住本真理
九州空調 住本真理

 九州空調は1966年創立の業務用空調設備工事・保守サービス会社。福岡を中心に佐賀、長崎でも事業を展開。売上高の7割を占める保守サービスは、テナントビルや官公庁・学校、ホテル、病院、工場など200件以上の年間契約先を抱える。

 工事部門は残り3割を占める。福岡エリアの同業会社で唯一、矢崎総業と川重冷熱工業の2社と特約店契約を締結。そのほかダイキン工業、三菱重工業、三菱電機、東芝キャリア、日立、パナソニックなど大手メーカーの機器を取り扱う。ゼネコンやサブコンの下請けはまれで、大半の工事を施主から直接請けている。

 同社の特徴は、社員の技術と知識のレベルの高さにある。某メーカーの支店長が「こんなに数々のメーカーの機械を深く理解しているのは驚きだ」と語るほど。それを裏付けるのが有資格者の多さだ。指定建設業監理技術者や一級管工事施工管理技士など、20以上の専門資格の取得者を多数抱える。同社の工事担当・保守担当社員は10人。その一人一人が複数人分の働きができるわけだ。

 高度な人材を抱えている背景には、創業者で住本会長の父・泰英氏の代から、「社員を大切にする」思いがある。

 資格取得やメーカーの研修参加への支援など人材投資には以前から積極的だった。また、自社で統一の社用車を持たず、社員それぞれが自ら選んだ乗用車を社用車にするユニークな取り組みも泰英氏が発案し、現在も続いている。

 泰英氏から引き継いだ住本会長も社員への思いは変わらず、独自策を打ち出した。2020年に新たな社内制度として「iDeCo+」(中小事業主掛金納付制度)を導入。夏場には熱中症対策品を配り、またApple Watchの全社員への支給も好評だ。健康診断のオプション費用を負担するなどして、今年3月健康経営優良法人に認定された。

 最近はSDGsにも取り組む。プラスチック削減のため、独自の紙タイプのクリアファイルを使用し、取引先に配布。また、SDGs啓発カードゲームを地元小学校に寄贈したほか、関連イベントを24年に新たに計画する。社員にも地球にも優しい同社の今後に注目だ。 

会社概要
設立   1966年9月
資本金  2,000万円
本社   福岡県福岡市東区
従業員数 16人
事業内容 業務用空調設備工事、保守サービス
https://www.kyusyu-kuhchyo.co.jp/