(雑誌『経済界』2024年2月号「テック企業特集」より)
経理や人事・労務領域におけるバックオフィス向けSaaSおよび、家計簿・資産管理アプリを提供するマネーフォワード。SaaS事業では、インボイス制度の開始や電子帳簿保存法の改正を追い風として事業展開を推し進め、個人事業主や中小・中堅企業を中心に現在、課金顧客数は28万5千に上る。社会およびビジネスの変革に直結するこの領域を軸に投資をし、事業拡大を狙うと辻氏は語る。
「会計や給与計算などバックオフィスの業務全体のDXが実現すれば、企業の生産性の向上が進みます。蓄積されたデータを基盤に、ユーザーの負担を減らす新たなサービス創出につなげることが重要です」
また、同社は企業活動の重要な指針であるバリューの一つとして「テック&デザイン」を定めている。
「『デザイン』にはプロダクトのデザインから事業の戦略立案まで広い役割があります。テクノロジーとデザインの力を生かし、お金の不安が解消される世界を実現すべく動いています」
2020年に865人だった従業員も現在は2千人を超えた。世界中から人材を集め、ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャーの共有を徹底している。
「ユーザーに価値を届けられるのであれば、どんなチームでも構いません。国籍・年齢・性別を問わず、多様な背景を持つ方に集まっていただきたい。そのためにはメンバー同士のリスペクトが最も重要です。日本発のグローバル企業として真に優れたプロダクトをつくるべくユーザーフォーカスを徹底し、愚直に、毎日コツコツとやっていきます」