経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

グループ企業との連携と地域貢献活動を通じて西成地域の活性化に貢献 湯本正基 アイセ・グループ

アイセ・リアリティー 湯本正基

不動産関連のアイセ・リアリティーを中心に食品スーパーからホテル、国際物流などの事業会社を展開するアイセ・グループ。今後は大阪の食品スーパー「スーパー玉出」を中核事業に据え、グループ企業との連携を強化し、グループ全体のさらなる飛躍を目指す。(雑誌『経済界』総力特集「注目企業2024」2024年5月号より)

アイセ・グループ 代表 湯本正基

アイセ・リアリティー 湯本正基
アイセ・グループ 代表 湯本正基 ゆもと まさき

「スーパー玉出も新型コロナの影響を受けましたが、昨年より創業の地・西成地域の店舗強化に集中する戦略が功を奏し、業績は完全回復しました。これをグループの中核事業とし、グループ間の連携強化でビジネスを拡大していきます」と語るアイセ・グループの湯本正基代表。

以前から訪日外国人の宿泊先や観光地として人気の大阪・西成。来年開催の大阪・関西万博ではさらなるインバウンド需要が見込まれるだけに、地域で圧倒的な知名度を持つスーパー玉出は大きな可能性を持つ。

「ベトナムや中国にグループ現地法人を今春設立予定です。果物やカット野菜、PB商品を直接仕入れ、グループの国際物流会社が貿易を担い、スーパーと直結させます。従来メーカーや商社に頼ってきた業務をグループで担えばコストダウンを図ることができ、商品の品質と価格において他店に負けない競争力を持てます」

さらに近隣物流拠点の設備増強、総菜や弁当のセントラルキッチンとしてISO認証の食品工場との独占契約計画など、グループの総合力でスーパー事業をバックアップする。

もともとはスーパー玉出の再建を任された湯本代表だが、西成地域の魅力に引かれ、今では地域貢献活動に関わっている。中でも全国平均より低い癌診断の受診率の向上を目指す「NPO法人ときん」(今春設立予定)の理事として、地域の健康寿命の延伸にも取り組もうとしている。

さらに、「スーパーの社員も地域の住民。地域に少しでも恩返しできれば」という思いから、昨年スーパーで働く社員のほぼ全員を直接雇用に切り替え、短期パート、アルバイトにも年末手当を支給している。

「昨年末には地域のボランティア団体を介しておせち料理250食を無償で配布しました。これからも行政や地域の経営者団体などと連携を深め、アイセ・グループとして地域活性化に貢献していきます。来年の万博開催に向け、『西成から世界へ!』をスローガンにスーパー玉出を通じて西成を元気にしていきたい」

湯本代表はコーポレートアイデンティティ戦略の重要性を感じており、長年親しまれている「スーパー玉出」の名称を残しつつ、今後は各店舗名の変更を検討しているという。 

会社概要
設立 1987年3月  
資本金 5,000万円  
売上高 300億円(関係・関連会社含む)  
本社 東京都台東区  
従業員数 1,400人  
事業内容 不動産関連業、商品事業、ホテル事業、食品小売事業、物流事業、美容事業、事業開発、総合保険販売業、セレモニー事業部  
http://www.isereality.co.jp/