(雑誌『経済界』2025年2月号「第49回経済界大賞」より)
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第49回 経済界大賞
大 賞 岡藤正広 伊藤忠商事会長CEO
優秀経営者賞 芳井敬一 大和ハウス工業社長CEO
優秀経営者賞 森田隆之 NEC社長兼CEO
地方創生賞 鈴木与平 鈴与会長、フジドリームエアラインズ会長
ベンチャー経営者賞 岡田光信 アストロスケールホールディングス社長兼CEO
ベンチャー経営者賞 髙原幸一郎 NearMe社長
ダイバーシティ賞 ジュネジャ レカ ラジュ 亀田製菓会長CEO
第49回経済界大賞は、審査委員会(委員長=武藤敏郎・大和総研名誉理事、冨山和彦・日本共創プラットフォーム社長、牛島信・牛島総合法律事務所代表弁護士)の厳正なる審査の結果、上記のとおり各賞が決定しました。
大賞の岡藤正広・伊藤忠商事会長CEOは、社長・会長通算14年余りで伊藤忠を大きく飛躍させました。特に「利は川下にあり」と川下戦略を強化し、資源ビジネスに頼らず商社トップの業績を達成したことは大きく評価されています。また来期の10%賃上げを発表するなど、常に日本の企業経営に一石を投じ続けています。
優秀経営者賞の一人は、芳井敬一・大和ハウス工業社長CEOです。同社は、前3月期、建設業界初の売上高5兆円を達成しました。しかしそれも単なる一里塚で、100周年(2055年)10兆円の目標に向けて走り続けています。
同じく優秀経営者賞の森田隆之氏が社長兼CEOを務めるNECは、長年、日本のIT産業をリード、世界トップの顔認証技術は、社会に幅広く使われるようになりました。またAIに関しても国内トップを走ります。
地方創生賞の鈴木与平氏が会長を務める鈴与は、創業以来、一貫して地元・静岡県と歩んできました。08年にはリージョナル航空会社であるフジドリームエアラインズを設立、地方と地方の交流に大きく貢献しています。
ベンチャー経営者賞の岡田光信氏率いるアストロスケールホールディングスは、民間企業初のスペースデブリ(宇宙ゴミ)の回収を手掛けています。24年6月には上場を果たし、今後のさらなる成長が期待されています。
もう一人のベンチャー経営者賞は、髙原幸一郎・NearMe社長です。同社は羽田空港などの空港利用者に対してタクシーの相乗りサービスを提供。利便性を大幅に高めると同時に劇的な運賃引き下げを実現しています。
ダイバーシティ賞のジュネジャ レカ ラジュ・亀田製菓会長CEOはインド出身です。4年前に社長に就任して以来業績を伸ばし、地元に受け入れられるなど、日本のダイバーシティを体現する経営者として評価されました。
(経済界編集局長/関 慎夫)