リライブウェア230万枚突破　着る医療機器で世界を変える　佐々木貴史　りらいぶ

鉱石インクがプリントされ、遠赤外線の輻射によって血行が促進されるリライブウェア。出川哲朗氏が出演したテレビＣＭも話題となり、累計２３０万枚を突破する爆売れを記録している。りらいぶの佐々木貴史代表にヒットへの道筋を聞いた。（※集計期間２０１９年７月１日～24年12月31日）（雑誌『経済界』2025年5月号「注目企業」特集より）

テーピングの技術を応用し衣服を通して筋肉へアプローチ

起業家として飲食店経営、相続支援、営業コンサルなど「困っている人を助ける仕組み」をつくってきた佐々木代表。そろそろ引退しようと考えていた55歳の時に、志を立てることの大切さを学び、「誰もが元気になる方法につながること」を最後の仕事にしようと考えた。

「当時、学んでいた武術で、テーピングによりパフォーマンスをサポートしたり、体の悩みを軽減することを知りました。でもテーピングを毎日するのは一般の人には難しく、もっと簡単にテーピングを活用できる方法はないかと考えて開発したのが、着るだけで筋肉へアプローチするリライブウェアです」

リライブウェアは、トルマリンなどの鉱石をオリジナルブレンドしたインクが体のツボの位置に沿ってプリントされ、遠赤外線の輻射によって血行が促進される。さらに医療機器の「リライブシャツα」は、腰や肩のハリ・コリや疲労の回復といった効果が期待できる。

シャツやパンツ、キャップなどのアイテムがあり、２０１７年の発売以来、シリーズ累計２３０万枚以
上を売り上げた。

しかし事業開始から４年間は全く売れず、大赤字だったという。

「リライブウェアを着用いただくと介護時の抱き起こしが楽に行えるようになるので、介護関連商品の展示会に参加し、体感していただく機会を設けました。皆さん効果は実感してくださるのですが、『その効果を言葉で説明し、納得して買ってもらうのは難しい』とおっしゃるので、販路を広げることがなかなかできなかったのです」

「令和の虎」と通販番組で認知度が一気にアップ

節目が変わったのはＹｏｕＴｕｂｅの番組「令和の虎」への出演だった。投資家の審査員たちに事業計画をプレゼンし、希望金額に達すればその場で現金がもらえる番組だ。

投資家たちに着用してもらうと皆その効果に驚き、佐々木代表は、全ての投資家から希望金額を得ることができた。その後、番組を見た視聴者からリライブウェアの購入が殺到し、同社の快進撃が始まった。

「１週間で１万枚ほど売れました。購入した方がＳＮＳにアップし、それが宣伝となってまた購入者が増え、認知度が一気に増したのです」

資金ができたことで今度はテレビの通販番組に出演する。高齢者を対象に、元気になる、歩くのが楽しくなる、体をサポートするシャツであることをＰＲする内容だ。

「今までにないコンセプトの商品だったので、ここでも爆売れしてこれまでの赤字を回収できました。24年からはタレントの出川哲朗さんを起用したテレビＣＭもスタートしています。これまではＥＣサイトでの販売が中心でしたが、スーパー、百貨店、量販店からの取引の依頼を頂き、リアルな店舗での販売も増えています」

医療機器に届出を出し効果を検証

リライブウェアの強みとして、効果を検証していることも大きい。大学や地方自治体での実証実験を行っている。加えて、民間企業とも共同で実証実験を実施している。多くの方がリライブウェアを着用して体が楽になるといった効果を実感しているようだ。

「中高年の方から喜びの声もたくさん頂いています。私自身、もともと体に自信がなかったのですが、リライブウェアを着用するようになってから毎日精力的に動けるようになりました。63歳の今がこれまでで一番元気です」

昨年は医療機器へ届出をした「リライブシャツα」を発売し、ますます注目が集まっている。現在は全国の自治体15都市の介護施設や保育施設、自衛隊２基地で体感され、プロスポーツチームのアスリートもリライブウェアを着用している。

「エビデンスに厳しいカナダでも結果を出し、好評を得ました。今後は日本のみならず海外進出を予定しています」

体のエネルギーポイントだけでなく、心のエネルギーポイントにも着目しているという佐々木代表。

「体と心が整うとさらに皆元気になって、日本を元気に変えていく力にもなると考えています」

56歳で会社を立ち上げて８年。東京事務所も開設し、メディア対応の機会を増やし、さらなる販路の拡大を考えているところだ。売り上げは、23年12億円、24年77億円、そして今期は２００億円を目指す。

「リライブウェアは多くの人の健康に絶対に役立つ商品だと分かっていたので、全く売れない時もあきらめず、ファーストペンギンとなってチャレンジしてきました。志を持って世界を変えようと行動することが大事だと思います」