IoTやクラウド、ビッグデータの利活用は企業戦略の要となっている。ITbookは顧客満足度の高いコンサルティングサービスで業容を拡大している。
官公庁向けのITコンサルティングを主力に成長しているITbookは、いよいよ本格的に運用が始まるマイナンバー制度対応の受注件数を順調に伸ばしている。同社会長兼CEOの恩田饒氏は「当社は昔から中央の官公庁や地方自治体向けに強い会社です。過去5年間で約150の地方自治体で各種コンサルティングの仕事をさせていただきました。民間と違って地方自治体の場合は価格の低さよりも、提案の中身を重視します。この分野では大手の情報システム会社といつも競合になりますが、受注件数ではお陰さまで当社が勝っている状況です」と語る。
同社の業務はコンサルティング事業、システム開発事業、それと技術者派遣の3本柱。コンサルティング関係では官公庁向けに強いというアドバンテージを生かしながら、特徴ある企業とのコラボレーションにも積極的だ。例えば昨年9月には情報セキュリティー技術に強いラック(ジャスダック上場、本社・東京)と、自治体が取り組むマイナンバー運用のセキュリティー対策で業務提携を結んだ。また、人材総合サービスのフルキャストホールディングスともマイナンバー関連の業務で提携している。
「今期も3本柱が中心ですが、最も伸びしろが期待できるのは技術者派遣です。いまでも仕事量はたくさんあるので、優秀な技術者をいかに数多く確保するのが重要です」(恩田氏)
ITの分野は技術革新の変化が速くライバル会社も多い厳しい環境にあるので、どう顧客ニーズを先取りするかが業績拡大の鍵となる。今期の売り上げは約34億円の見込みだが、来期は50億円を目指している。
ITbook株式会社
- 設立/1990年
- 資本金/8億8370万円
- 売上高/20億円(15年3月期)
- 従業員数/175人(連結)
- 事業内容/業務・システム最適化コンサルティングサービス
- 会社ホームページ/http://www.itbook.co.jp/