量子力学や心理学、成功哲学の知識を用いた「量子力学コーチング®」を手掛けている一般社団法人イーアイ・アカデミー。同法人を設立した高橋宏和代表理事は独自のメソッドを通じて、ビジネスパーソンや経営者らの夢や目標の達成をサポートしてきた。現在では新型コロナウイルスの流行拡大を受けて、オンラインを通じた受講生のサポートを強化。高橋氏は「国内外に幅広くアプローチできるオンラインの利点を生かして、たくさんの経営者の夢を叶えるお手伝いをしたいです」と意欲を燃やしている。(取材・文=鈴木健広)
高橋宏和 ・イーアイ・アカデミー代表理事プロフィール
1981年東京都町田市生まれ。慶應大学理工学部と慶應義塾大学大学院理工学研究科を卒業後、セキュリティソフトを手掛ける上場企業、トレンドマイクロにSEとして入社。転職後に上司からのパワハラや離婚などを経験し、人生を変えるために独自のコーチングメソッド「量子力学コーチング®」を考案、2016年にコーチとして独立した。セミナーやコーチングの受講生数はオンラインを含めて累計1万5000人を超える。2018年頃からインターネットを駆使した事業を展開し、LINE公式アカウントの読者数は10万人に、Twitterのフォロワー数は3万人に達している。
「量子力学コーチング®」とは?
「量子力学コーチング®」という耳になじみの薄いフレーズ。理系科目が苦手だった人には一見取っ付きにくい印象があるが、実際のところはどうなのだろうか。
「量子力学とは、目に見えないミクロの世界を対象にした物理学のことです。量子力学コーチング®では、見えない世界で成り立つ自然の法則を分かりやすく解説し、夢の実現をお手伝いしています。中学生でも理解しやすい講座を心掛けているため、受講前には難しそうだと感じていた方も楽しく参加されています」と、高橋氏は語る。
全ての物質は素粒子と呼ばれる最小単位でできている。物理学の理論の一つである「超ひも理論」によると、素粒子はひもの形をしており、それぞれのひもが振動することで異なる周波数を発している。高橋氏によると、人の場合も意識を変えてプラスの周波数に合わせることで、幸福感を得られるチャンネルを視聴できるようになるという。
「意識を向ける場所を変えることで、プラスの出来事を呼び込むことができる。引き寄せの法則を科学的に起こすことが可能になります。この理論の実践を通じて、ビジネスや人間関係、健康といった人生のバランスを整えながら、本当の幸福を手に入れて頂きたいと考えています」
「量子力学コーチング®」を受けることで、1年間で月商を20万円から240万円までアップさせた輸入販売事業者や、最適な治療法を見つけたことでステージ4だった癌の手術に成功した患者などがいる。「分かりやすい内容で結果を出せるコーチング」と好評を博しており、4年間での受講生は累計5500人以上に達した。
「年齢や性別、職業に関係なく、たくさんの方々が結果を出されていることが本当に嬉しいです。私自身がダメダメな人生を克服するために考えたメソッドですから、喜びもひとしおですね」
「量子力学コーチング®」を編み出し公私ともに成功を収める
高校時代に英国に留学し、当時の授業がきっかけで物理学に魅せられた高橋氏。慶應義塾大学の理工学部を経て、慶大大学院では英・オックスフォード大学のペン・ローズ教授による「量子脳理論」を基にしてAI(人工知能)の研究に取り組んだ。
大学院を卒業した後は上場企業に入社するなど、順風満帆だった高橋氏の人生が暗転したのは、あるシステム開発会社への転職後だった。
上司から厳しい叱責を受け続け、癒しを求めて結婚するものの、当時の妻からも毎日のようにダメ出しを受け、家事をことごとくボイコットされた。極め付けは「お前はミジンコ以下の存在だ」という妻からの言葉。セルフイメージがどんどん低くなり、自信を完全に失っていたという。
公私ともに苦しい日々が続く中で、「人生を変えたい」と一念発起。物理学の様々な法則をベースに、独学で身に付けた成功哲学や心理学、脳科学の知識を掛け合わせて「量子力学コーチング®」を編み出した。顧客がいない状況で会社を飛び出したものの、順調に受講生を増やすことで資産をサラリーマン時代の100倍程度にまで増やしたという。
「前妻と離婚した後に今の優しい妻に巡り会い、二人の子供にも恵まれました。自分の人生を通じて証明してきたコーチングをより多くの方々に広めていきたいと思います」
リアルに続いてオンラインでのコーチングを強化する
高橋氏は、起業当初からセミナーや講座、マンツーマンによるコーチングで受講生をサポートしてきた。
「日本全国、ひいては世界中に幸せになるための方法をお伝えしたい」という思いから、2018年よりインターネットを活用している。YouTubeではこれまで数十回規模のライブ配信を実施し、1回の視聴者数は最大で1千人を記録した。LINEの読者数は10万人を超え、Twitterのフォロワー数は3万人に達している。
オンライン会議システムZoomを活用したグループセッションでは、ビジネス書のベストセラー「7つの習慣」の研修プログラムを世界中に広めたロイス・クルーガー氏や教育家の原邦雄氏らとコラボし、1回につき最大で200人以上の動員を実現している。
高橋氏の活用するツールはこれだけに留まらない。中国で幅広く利用されている音声プラットフォーム「himalaya」によるラジオ番組や、ソーシャルアプリ「HAKUNA」を使ったライブ配信など、多岐にわたっている。
「私がSE出身ということもあり、様々なITツールに興味を持っております。自然と良いアプリの情報が入ってきますので、これも引き寄せの一種ですね(笑)オンライン戦略を強化しながら、新しく思い付いたアイデアも順次お伝えしていきます」
経営者向けの「量子力学コーチング®」を加速
高橋氏がオンラインを通じて、発信していきたいのは経営者向けの業績向上策だ。コーチングを実施してきた化粧品メーカーの社長は期待に沿わない部下達の働きを嘆いていたものの、最終的に社員への感謝が不足していた自らの過ちに気付き、職場の雰囲気の改善と業績向上に取り組んでいるという。
「量子力学の知識はもちろん、人として器を広げるためのアドバイスをすることで業績回復をサポートしていきます。経営者にとっても重要なのは、①誰かにしてもらったこと②当たり前のこと③嫌だったことに対する『3つのありがとう』の気持ちを持つ点。コストを掛けない集客や販促といった具体的な施策を紹介しながら、皆さんの悩みを解決していきます」
経営者へのコーチングを加速させるために、今後も著名人や企業とのコラボレーションを進めていく。
「私の好きな言葉は上善如水(じょうぜんみずのごとし)です。水のような柔軟性を持って、他者と争わずに調和して生きていきたい。同業者とのコラボもその一環です。経済界倶楽部とも経営者を対象にしたコラボセミナーを計画しています。色々な方とWIN-WINを超えて、関わる全ての人が勝利できるALL-WINや敗者を出さないNO-LOSEの関係を構築して、自分よし、相手よし、家族よし、ご先祖様よし、地域よし、日本よし、世界よし、宇宙よしの『八方よし』を追求していきます」