経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

リモートワークに必須のPCカメラ防御グッズは何が良いのか

プロマーケッター山本康博の勝手に商品鑑定(第30回)

リモート勤務が本格化する時代が到来し、自宅やカフェで仕事をするときに目の前のPCカメラがどうしても気になる人に最適なPCカメラ防御グッズを今回は紹介します。スルッとスライドさせて、カメラ部分を隠すだけで盗撮や覗き見を防止、プライバシーをしっかり保護します。ウェブスパイ、ウェブハッカーからの盗撮、ウェブ監視も防止できます。

人口減少、コロナ―リモートワーク増加の背景

 日本の人口は既に2008年をピークに減少に転じており、33年後の2053年には1億人を割り込んで昭和41年(1966年)に近い人口構成となる見込みです。

 そんな中、政府の重要政策のひとつである「働き方改革」においても、多様な働き方が推奨されています。新型コロナの影響もあり、自宅でPC作業をしたり、オフィス就業と在宅就業のハイブリッド型ワークスタイルを始めるビジネスパーソンが増えています。

 人口減少時代では、必ずしもオフィスで仕事をする必要がなくなり、たとえばパソナでは東京から淡路島に本社機能を一部移転しました。今年10月から「勤怠共有ツール導入」でハイブリッド勤務推進による在宅勤務出社率5割以下を目指しています。

 また、同社では、働きやすい職場環境の提供を目指して、ハイブリッドワークやハイブリッドライフ推進により、人々のライフスタイルに合わせ多様な働き方を創造すると共に、地域への移住・定着や関係人口の創出等による地方創生を目指す『ハイブリッドワークライフ協会』を今年の10月に設立しています。

 それ以外の企業でも、日立製作所、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NEC、富士通、KDDIをはじめとする大手企業も、相次ぎ在宅勤務を促進しています。

*(参照)内閣府日本人口推移;https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s2_1.html

シールでPCカメラを塞ぐ欠点

 そこで心配なのが、監視、ウィルスなどによるPC乗っ取りです。これを警戒してPCカメラを塞ぐ人が増えています。

 筆者は以前からPCのカメラ部分にシールを貼って、必要な時だけはがして使っていました。周りのビジネスパーソンでも特に女性は、PCカメラを塞いでいる人が多いです。

 しかし、シールだと、はがしたり貼ったりが面倒なのと、画面にベタベタくっついてしまうため、様々な対策グッズが市場に出回っています。

 そこで、物理的にPCカメラをふさぐグッズを紹介します。何種類ものグッズを試してみた結果、実際に使えるお勧めの商品を解説します。

剥がれず、壊れにくいPCカメラ防御グッズは?

 今までに様々な、PCカメラ遮断グッズを試してみましたが、すぐ剥がれてしまうものや、スライドがすぐ壊れたりするものも多い印象です。そうした中、以下の商品が現在一番優れていると思います。

*KIWI design ウェブカメラカバー プライバシー保護 Webcam Cover 盗撮防止機能付き webカメラ カバー タブレット ラップトップ 携帯電話 Samsung/iPhone/iPadラップトップなどに適応盗撮ハッカー防止 超薄型 (8個セット) ¥565(2020年11月7日時点)

筆者撮影、左が空いた状態、右が閉めた状態
筆者撮影、左が空いた状態、右が閉めた状態

 この商品はとにかく、厚みが0.07mmと薄型で、赤い部分が開いているときに見える機能がついているのが素晴らしい点です。

 シールもしっかりとしていて、通常の使い方では落ちることはありません。スライドに関してもスムーズで、筆者自身は半年以上まったく問題なく使えています。

 シールを貼っていた時代に比べて、スライドするだけなので非常にストレスなく使えます。アマゾンでは、赤部分ありと、黒だけの組み合わせしかないのですが、赤が嫌な人は黒を使うなど臨機応変に対応できます。

 しかも、1個に換算すると値段が、たった70円程度なので、剥がれて無くなってしまっても、あまり問題はありません。

 この商品は超薄型のため、ノートPCだけではなく、スマホにも使える便利さも強みです。赤い部分が見えたら、空いている証拠になるので塞ぎ忘れも防げています。

 デメリットがあるとすれば、超薄型といっても、0.07mmと多少は出っ張っているので、カバーをしている方は、少しだけ反対側に跡がつきます。筆者はほとんど気になりませんが、スマホカバーにこだわる人などはもしかすると、気になるかもしれません。

 あとは、縦が0.89㎝と幅があるため、入りきらない機種などもあります。メーカーでは、iMac/Surface/iPad/iPhone/Sony Xperia/Samgsung Galaxy Phone/Samgsungタブレット/Pixel 4など、ほとんどのフロントカメラ付きのスマホ、タブレット、ラップトップと互換性があるとうたっています。

 最近発売されたiPhoneなど複数カメラ搭載機種は対応できませんが、内側のインカメラを隠す分には問題ありません。

マイクが心配な人へのお勧めグッズ

 筆者はマイクも何となく気になるため、マイク端子に物理的に差し込んで、マイクを防御するグッズをPCとスマホ両方に使っています。

 使っているのは、「WebCamera Cover マイクロック」という商品で、コンピューター、タブレット、スマートフォンのオーディオハッキングを防止のためのグッズです。10個セットで1万8千166円(2020年11月7日時点)と価格は高めですが安心できます。

 *WebCamera Cover マイクロック – コンピューター、タブレット、スマートフォンのオーディオハッキングを防止。携帯電話マイクブロッカー、ノートパソコン&タブレットウェブカメラカバー10 Pack

筆者撮影、WebCamera Cover マイクロック
筆者撮影、WebCamera Cover マイクロック
筆者撮影、WebCamera Cover マイクロック

PCカメラには物理的な防御が安心な理由

 昨今は、PC乗っ取りやウィルスでのPCハッキングなど、外国からのアタックが多くなっていて、スマホやPCの電源を切っている状態でも、カメラを起動できるようなこともあるようです。そのため、念のために物理的にカメラを塞いでしまうことが安全な気がします。

 筆者は、カメラと、マイクを物理的な防御することで安心感を得ています。ただ、それだけではPC乗っ取りに対応することはできるはずがないので、日ごろからのこまめなPCソフトのアップデートや、ウィルス対策ソフトの導入などが必要なのは、言うまでもありません。

(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

※本連載の過去記事はこちらから

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山本康博(やまもと・やすひろ):

ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、マーケティング実績30年以上。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)など。損保ジャパンの顧問。